反動体とは

一瞬の駆け引きが明暗を分ける、熾烈なスピードレース。
相手をけん制し、勝負所でいっきに加速する。
強く蹴り出した路面からの反動を効果的にスピードに変える新構造のソールがここぞという時に威力を発揮する。

SORTIEMAGIC RP3 NEW COLOR!


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アシックスの創業者である鬼塚喜八郎が、心血を注いで開発したマラソンシューズ。それが「マジックランナー」だ。1950年代、マラソンランナーにとって最大の敵だった足のマメ。当時、夢とされたマメができにくいシューズに挑み、靴底に針ほどの小さな穴を開け、空気と熱を外に逃がすエアーベント式を開発。ランナーから魔法の靴として絶賛された。1960年に発売され、日本をはじめ世界のトップランナーが使用した初代「マジックランナー」が世界を驚かせてから半世紀。その名を受け継ぐシューズ、それが「ソーティマジック RP 3」だ。

ソーティとは「集団から抜け出す」という意味

佐藤アシックスでは、年々高速化が進む高校生や大学生を中心としたスピードランナー向けのシューズの開発に力を注いできました。その中心となるのがソーティシリーズです。ソーティには「集団から抜け出す」という意味があり、約 30 年の歴史を持ちます。

臼井マジックランナーから受け継いだノウハウに改良を重ねながら、時代と共に進化させてきた訳ですが、マラソンシューズ開発で大きな転機となったのが1991年に東京で開催された世界陸上です。

佐藤高温多湿の悪条件下で行われるマラソンに対応するため、ソールに設けた通気孔から空気を吸排するシステムでシューズ内の熱や湿気を換気することでムレを抑え、快適性を保つマジックベンチレーション機能を搭載したシューズを開発。それが初代「ソーティマジック」です。その名前には、世界を驚かせた「マジックランナー」を超えたいという想いが込められています。

高橋とにかく速く走るためのシューズ。それがソーティです。そのなかでも自動車で言えばF1、トラック競技で言うスパイクシューズのような存在が「ソーティマジック」となります。

ランナーのニーズをシューズに反映 マラソンシューズも激しい競合時代へ

臼井「ソーティマジック」最大の特徴となるのが、ソールが前足部・中足部・踵部でセパレートになっている点です。前足部にグリップ性の高い素材を使用、中足部には「トラスティック」といわれる樹脂を入れるなど各ポイントにマッチした素材を組み合わせることで、ランナーのパフォーマンスを引き出す工夫が施されています。

佐藤「ソーティマジック」シリーズで最初の大きな変化が、ミッドソールを踵の部分まで巻き上げたタイプの「スーパーマジック」の登場です。大きな衝撃が加わる着地の際に、足の動きに合わせてサポートしながらブレにくいようにすることをコンセプトに、踵部を巻き上げたタイプを開発しました。

高橋また、生活様式・習慣の変化などにより、日本人の足のタイプも変わってきていることから、このモデルから足幅、足型に合わせてスリム・レギュラー・ワイドの3タイプを用意。デザインも白を基調としたシンプルなものからグラデーションなど色の変化を用いたものへシフトするようになりました。

佐藤マラソンや駅伝ブームの流れもあり、外資系のメーカーなども、それまでほとんど展開していなかった薄底のマラソンシューズに力を入れるようになり、競争が激しくなってきたのがこのころです。

臼井この世界のリーダーとして長年培ってきたマラソンシューズのノウハウと共に高い評価と認知度はいただいていましたが、外資系の他社がジャパニーズフィットに力を注いできたことの影響は大きかったですね。

ソーティマジックシリーズがメインターゲットとするのが 高校・大学生、実 業団のスピードランナーだ。都大路(高校駅伝)や大学駅伝の注目度が高まるにつれ、トップ層の底上げが急速に進み、2005年に13人だった大学生の5000m13分台が2015年には60人に急増。14分30秒以内も2010年には130人だったが、2015年には400人を超えるなど一気に層の厚みを増してきている。高校生の15分未満も2000年の508人から2015年は890人と倍近くの人数に膨れ上がった。スピード化 が 顕 著となり、ランナーがシューズに求めるニーズも変化してきている。

スピード化が進み最近のトレンドはフィット性と反発

臼井マラソンシューズは非常にシンプルなものです。ある意味、軽くするのは簡単ですが、シンプルなだけに(ランナーが 求めるニーズに応える)機能を付けるのはとても難しい。機能を付ければ、どうしても重くなってしまうからです。

高橋かつては100g(26.5cm基準)を切るシューズもありましたが、最近はそうした実重量より、履いた際に感じる軽さ、フィット感、さらに反発などが、ランナーが求めるトレンドとなっています。

佐藤ですから重量的には150g前後が基準となります。機能を省けば軽くすることはできますが、選手をサポートする唯一のアイテムがシューズ。そこにこそ大きな価値観を見出し、プライドを持って開発にあたっています。

臼井最近では、足への負担やロードとの走り方の変化などを考慮し、トラックレースでもスパイクシューズを使わないランナーが増えています。実際の重量よりも軽く感じるシューズの開発。ランナーの多様な感覚とニーズにマッチしたシューズづくりが私たちには求められています。

伝説のラスト(靴型)を変える大英断 大ナタを振るい進化の大海原へ

佐藤日本人の足型が(スリムな方向へ)変化してきたことが分かった段階で、フィッティングを重視し、靴づくりの基本ともいえる伝統のラスト(靴型)を変える決断をしました。それが「ソーティマジック RP」のときです。

臼井それまで踵部が少し緩く感じるという声があり、ラストをスリム化。接地したときの力をスピードにかえる反発性と共にフィット性を向上させたモデルとなります。

高橋「スーパーマジック」で踵部を巻き上げるという、一つ大きな変化があり、ラストの変更によるフィット性と、よりニーズの高かった反発性を高めたものがRPシリーズとなります。

佐藤RPの名はリパルジョン(repulsion=反発力)からきており、ソーティの集団から抜け出すという意味と合わせて、スピードの速い攻撃的な走りをイメージしています。

臼井今回の「 ソーティマジック RP 3 」では、アウターソールの形状を変更。それまで分割されていた前足部のアウターソールをつなげて1枚にし、接地時のエネルギーをよりダイレクトにスピードに変える高反発構造で、中盤の揺さぶりやラストのキレに威力を発揮するよう工夫しています。

佐藤シューズの底を見ただけで、いろんな変化が分かっていただけると思います。溝の入れ方などにもこだわっており、何度も実験・検証を繰り返しながら、ただ曲がるのではなく曲がるべくして曲がる工夫、ソールの厚さはもちろん突起物の位置や数、意匠など、そのそれぞれに科学的な裏付けと明確な意図があります。「記録は出したけど故障した」では意味がありません。そこは私たちの目指すところではありません。選手の一番のサポーターでありたい。その想いがRP3には込められています。

高橋ここ一番で履いてほしい、選んでほしいシューズがRP3ですね。デザインなども含めアシックスらしさを追求していければと思います。

臼井選手の足をしっかりサポートしつつタイムの向上に役立つ。ユーザーの感覚の変化をしっかりキャッチし、それを落とし込む。伝統の継承&継続と進化&チャレンジ。創業当時から培ってきた想いが、このシリーズには詰まっています。シューズづくりの、ここが原点であり進化の最前線でもあります。

シューズづくりへの熱い想い。その一つひとつが東京五輪を夢見る選手、そして駅伝の頂点、
自己ベストを目指すランナー一人ひとりにつながっている。

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