逆境にこそ魂が熱くなる、エースストライカー大迫勇也の不屈の精神力

ドイツの名門サッカーチームで、一線級の選手として活躍する大迫勇也選手は、地元紙メディアも軒並み高い評価をつけ、着実にチームの主力としてその力を発揮している。日本を誇るストライカーの実力の裏には類稀なる強い精神力と、分析に基づく肉体づくりがあった。

試合に向けて高めていく、大迫流のマインドセット

サッカー選手に求められるのは高い技術力に加え、強いあたりにも負けない強靭な肉体である。大迫選手もまた、Jリーグ在籍当時から相当なトレーニングを積み重ねてきたのだろうと思いきや、「日本にいたときには身体づくりに関してはほとんど考えたことなかった」と驚きの一言が返ってきた。

「ですが、ドイツの選手は日本に比べて体格も大きいし、力も強くて、スピードも早くて、移籍したての頃は潰されてしまうことがありました。そこでトレーナーとともにオリジナルのメニューを開発してトレーニングを行うようにしました。自分に何が足りないのか、徹底的に分析することで今では外国人選手にも負けないフィジカルになりました」

一方でメンタル面もサッカーにおいては重要な要素で、世界の大舞台を前にプレッシャーも相当なもののはず。どのようにして試合に向けて気持ちをピークへと持っていくのか、トップアスリートならではの集中方法についてたずねるも、その答えは再び意外なものだった。

「ピッチに出るまで日常と何ら変わりません。芝生の上に立って、大勢の観客と歓声を前にしたときに、一気にスイッチが入るんです。必要のないときに集中しても疲れるだけですから。直前までリラックスして自然体を保つようにしていますね」


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強い精神でいかなる状況も乗り越えていく

こうした気持ちの切り替えの早さは大迫選手の得意とするところで、自身のマインドをうまくコントロールできるようになった礎は学生時代まで遡るという。

「中学生の三年間の部活が今まででの人生で一番きつかったですね。肉体的にはもちろん、先生から褒められることもなく、精神的にも徹底的に厳しくされました。当時はかなりつらいものでしたが、そのおかげで今の自分があると思っています」

そんな過酷な環境のなかでも挫折することなくサッカーを続けてこられたのは、純粋にサッカーが好きだということに他ならないという。その結果、全国高等学校サッカー選手権大会で歴代最多得点をマークし、その後、鹿島アントラーズへプロ入り、2014年にはドイツへわたり現在の活躍へと至る。

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常に輝かしい成績を収めてきたようにも見えるが、「2007年のU-17日本代表に落選しましたし、2014年の国際選手権大会でもうまく活躍できなかった」と、必ずしも順風満帆とはいえなかったという。しかし、「いまにみとけよ!」と思っていたと話すように、悪い状況にこそチャンスを見出し、学生時代に培った不屈の精神で逆境を跳ね除けていった結果、今の高い評価へとつながっていったのだ。

アシックスのスパイクを選ぶ理由

持てうる技術を最大限に発揮するために欠かせないのが、選手の足元を纏うスパイクの存在だ。現在、大迫選手はアシックスのスパイクを着用してプレーしているが、偶然か必然か、サッカー人生で初めて履いたスパイクもアシックスだった。

ドイツのピッチは日本に比べて緩く、滑りやすいため、「滑らない、横ずれしない、足が痛くならない」この3つの要素を満たす必要があった。ミリ単位で調整を重ねてようやく、一足の特注スパイクが完成。「本当にリクエスト通りに作っていただいて文句の付け所がない理想のスパイク」と断言するほど、その高い技術力と装着感に絶大な信頼を置いている。

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ドイツのサッカーを取り巻く環境は日本とどんなちがいがあるのだろうか。「ドイツのメディアやサポーターは、試合でいいプレーをすれば絶賛してくれるし、悪かったらとことん叩いてくる。実力勝負の世界でひりついた緊張感が楽しいですね」と語る。さらに現在アジア予選が進む、2018年の世界選手権大会でもドイツでの経験は有利に働くだろうと話す。

「常にレベルの高い選手と試合できるのはいいことです。相手チームのセンターバックがドイツ代表選手ということが当たり前なので、日本代表戦でのイメージトレーニングもつながっていきますし、いい刺激をもらっています」

プライベートにも着目してみると、家族とともにドイツに移り住んで生活を送っている大迫選手。家族に支えられ、さぞサッカーも愛する家族のために、という言葉が聞けると思うも「サッカーは家族のためではなく、自分のためのものです」と、ここでも期待と裏切る回答が。ともすると誤解を招く表現にも聞こえるが、実はこの真意は大迫選手らしいものだった。

「自分が頑張って活躍するしかないんです。まず自分を極限まで追い込んで、結果を出さないと話にならない。活躍すれば家族は喜んでくれますからね。家族の幸せというのは後からついてくるものなんです。これからも最前線で活躍出来るように一番は自分のために、ひいては家族のために、ファンのためにいいパフォーマンスを出していきたいですね」


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大迫勇也(オオサコユウヤ)

1990年生まれ。鹿児島県出身。鹿児島城西高校に入学後、全国高校選手権で大会史上最多となる10得点を挙げ、得点王に輝く。2009年、鹿島アントラーズに入団。2014年にドイツ・1860ミュンヘン移籍し、6月にブンデスリーガのFCケルンへ移籍を発表。同年ブラジル・ワールドカップの日本代表メンバーに選出される。2017年、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選の日本代表メンバーに選出。

TEXT : Keisuke Tajiri PHOTO : Ryu Nakamura