ヘルシーな豆腐をボリューミーに

運動だけでなく食事を含めて体づくり。そんな運動のお供に取り入れてほしい一皿を、料理家が栄養バランスを考えてご提案するのが「運動ごはん」です。


第9回目はスポーツ料理研究家として活動する村野明子さん。ヴィッセル神戸の育成センター「三木谷ハウス」の寮母を務めながら、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハトム 大谷翔平選手のアリゾナキャンプに言って現地での食事のお手伝いを少ししたそうです。前編では、疲労回復効果を高める玉ねぎを、すりおろしてたっぷりと加えた特製の生姜焼きをご紹介しました。

村野明子

後編は、ヘルシーなイメージの豆腐にボリュームを持たせた「あんかけ豚豆腐」です。

三木谷ハウスの寮母として日々、主に18歳以下の選手たちと接する村野さん。ご自身のスポーツの経験といえば、一昨年までマラソンの完走を目指し、毎日ランニングに取り組んでいたのだとか。それと同時に、現在は約5年間もホットヨガに通っています。


「昨年は右膝を痛めて、さらに今年は左の半月板を痛めてしまって。歩くのもままならない状況になってしまったんです。それがきっかけで故障に苦しむ選手たちの痛みをほんの少し知ることができました。その足をかばいながら、ホットヨガに通い続けているのですが、5年もやっているのに体は硬いまま(笑)。それでも、たくさん汗をかくことで心が晴れやかになれるんです。それに普段は考えごとをする余裕がないからか、終わった後は頭がすっきりしてレシピが浮かびやすくなる効果もあるんですよ」

薬味やチーズを挟んで、旨味をさらに上げる

<レシピ>
あんかけ豚豆腐

【材料】 2人分
木綿豆腐 1丁
大葉 2枚
ねり梅 小さじ2
チーズ 15g
のり佃煮 小さじ2
豚肉ロース薄切り 100g
白だし 大さじ2
胡麻油 大さじ1
水 200cc
片栗粉 小さじ2
[つけ合わせ]
穂じそ お好みで
すだち お好みで
みょうが 1本


【つくり方】
1.水を切った木綿豆腐を半分にし、中央部分に切れ目を入れ具材を炒める。
2.木綿豆腐の半分には、大葉・ねり梅・チーズを、もう半分には、大葉・のり佃煮・チーズをバランスよく挟む。
3.挟んだ具材が見えるよう、木綿豆腐を豚肉でぐるぐる巻きにする。
4.片栗粉をつけて胡麻油で焼き目がつくまで焼く。
5.白だしに水溶き片栗粉を溶いてあんかけを作り4に入れ、火にかける。
6.仕上げに穂じそ、すだち、みょうがを盛り付けて完成


「豆腐の間に挟むものは、のりの佃煮以外では高菜やなめたけもおすすめです。旨味を追加させるという発想ですね。そして、豚肉に包まれることでワクワク感も演出します。アスリートに提供するときはあんかけ豚豆腐一食で250gのお肉を使うのですが、今回はあえてボリュームを減らしてヘルシーなイメージの豆腐にボリュームを持たせてみました」


片栗粉をつける
胡麻油で焼き目がつくまで焼く
白だしであんかけを作り豚豆腐を火にかける

ガツンとインパクトのある、まさに“寮メシ”は、選手たちの食欲をそそります。“一食で栄養フルコース”を意識したワンプレートは、野菜や調味料の色が一目でわかる、村野さんらしい一皿です。


「豆腐はあんかけにすることによって、この厚みでも熱々で提供することが可能です。温かいものは温かく、冷たいものは冷たくがモットーで、育ち盛りの若い選手たちには運動後はあまり時間を空けずに食べてもらうということを心掛けています」


村野明子

スポーツ料理研究家。2003年からコンサドーレ札幌の寮母を務め、2009年よりヴィッセル神戸の育成センターにて勤務し選手の栄養面をサポート。著作に『Jリーグの技あり寮ごはん』(メディアファクトリー)、監修に『強い体をつくる部活ごはん』(文化出版局)。5年以上継続しているホットヨガで汗をかくことで、レシピが浮かびやすい晴れやかな心をキープしている。食堂のカウンター越しに見守る選手たちがエネルギーの源。


Text:Kaori Takayama

Photo:Takuya Nagamine 

Edit:Shota Kato