gel-lyte III 30th mita interview
「GEL-LYTE III」デザイナー 三ツ井滋之と、mita sneakers 国井栄之が語る、30周年コラボモデルに込めた思い


GEL-LYTE III OG "TRICO 2020"

2020年に誕生30周年を迎える、軽量ランニングシューズ「GEL-LYTE III(ゲルライトスリー)」。このアニバーサリーイヤーを記念して、上野アメ横に店舗を構える〈mita sneakers〉(ミタスニーカーズ)とのコラボレーションモデルがリリースされることになった。

コラボを手掛けたのは、「GEL-LYTE III」の生みの親でもある〈アシックス〉デザイナーの三ツ井滋之と、日本で初めて「GEL-LYTE III」のコラボモデルを製作した〈mita sneakers〉クリエイティブディレクターの国井栄之。

長きにわたりファンを魅了する「GEL-LYTE III」の魅力について、そしてスニーカーとデザインについて、存分に語り合ってもらった。


お互いをリスペクトして作った30周年モデル。

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(左から)〈mita sneakers〉クリエイティブディレクターの国井栄之。〈アシックス〉デザイナーの三ツ井滋之。



三ツ井滋之(以下、三ツ井) 〈mita sneakers〉さんは、〈アシックス〉とは長いですよね。

国井栄之(以下、国井) 最初のコラボレートは2008年ですね。ヨーロッパを中心に、ファッションやサブカルチャーとスポーツを結びつける「asics KIRIMOMI PROJECT」(アシックス キリモミ プロジェクト)がスタートして、〈Patta〉や〈colette〉といったコラボ陣と一緒に、〈mita sneakers〉も選んでいただいて。

三ツ井 そこで始めてコラボスニーカーを作ったんですね。

国井 そうです。三ツ井さんとお会いするのはもっと後ですよね。4年くらい前に〈アシックス〉がシーズンの初めにデザイナーを召集して行うクリエイティブキックスタートで、なぜか僕が登壇させて頂く機会を与えて貰って(笑)。

それで神戸に行った時に、初めてちゃんとお会いして。三ツ井さんは僕にとっては神のような人で、簡単に会えるような人じゃなかったから、めちゃくちゃ嬉しかったんです。

三ツ井 いやいやいや、そんな!

国井 すでに何度か〈アシックス〉とコラボしていたので、「勝手にガチャガチャいじってすみません」とご挨拶をしたのを覚えてます。

三ツ井 もう全然。僕からしたら、カッコよくしていただいてありがとうございますっていう思いでした。

国井 僕、携わった靴に必ず“東京改”っていうロゴを入れるんですけど、それはオリジナルのデザイナーさんへのリスペクトなんです。あくまでベースとなるデザインがあって、僕はそれをいじってるだけ。下町っぽく言うなら、他人のふんどしに装飾をつけてるだけっていうか。


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三ツ井 これまでもいろんなメーカーさんとコラボされてますよね。

国井 そうですね。“コラボレート”という呼び名がポピュラーじゃない頃から、一緒にスニーカーを協業してきました。遡ると、〈mita sneakers〉は50~60年ほど前に、根津で草履下駄の製造販売から始まった会社なんですよ。メーカーっていうほどじゃないですけど、最初は卸す側だったんです。

三ツ井 へえ~、それは知りませんでした。

国井 でも、草履下駄の需要が減って一度倒産してしまう。借金返済のために、問屋に卸した在庫を借りて来て販売したらすぐに返し終わって、先代の社長が「小売をやってみよう」とアメ横で商売を始めました。1970年代後半から80年代にかけてスニーカーが売れるようになってきて、90 年代にスポーツブランドのインライン商品をしっかり販売するようになり、96年に僕が入ってからはコラボレーションに力を入れるように。中でも、〈アシックス〉は近くて一番遠い存在でしたね。

三ツ井 そうでしたか(笑)。

国井 というのも、スポーツのために、というところなんですよね。お客さんを迷わせないようにすごく気を遣っていて、ランニングシューズなの?タウンユースなの?とわかりづらいものはダメ。コラボに関しても、特定のお店でしか買えない限定品というのは公平性に欠けるのでは、という考え方があって。

三ツ井 真面目なんですよね。

国井 “復刻”に関しても、常にアスリートとか市民ランナーといった人たちに、最新で高機能のシューズを提供するブランドが、過去のものを蘇らせる理由がないと。でも僕にしてみればそれは〈アシックス〉のヘリテージでありアーカイブでもあるから、当時を知らない世代に伝えたいと思っていて。だから2008年に声をかけてもらった時は感激しました。

三ツ井 なるほど、そういう流れがあったんですね。今日国井さんが履いている、25周年の「GEL-LYTE III」もいいですよね。全体がブルーで。僕も欲しかったんですが、社内でも買えなかったんですよ。

国井 製造数が少なかったんですよね。発売年(1990年)にあわせて1990足限定で、世界で振り分けちゃうともう全然。うちの在庫も少なかったです。でも、「GEL-LYTE III」は思い入れの強いモデルだったから、プロジェクトのトップバッターを任されたのは本当に光栄でした。




「〈アシックス〉の良さは、目に見えないところにある」三ツ井滋之

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三ツ井 初代の「GEL-LYTE」は僕の上司がデザインして、「GEL-LYTE II」で半分くらい関わらせてもらい、「GEL-LYTE III」は全部僕がデザインしました。海外向けに作ったモデルで、日本では未発売。日本のデザイナーがデザインして、海外のマーケッターが選ぶんですね。当時の販路はアメリカがほとんどで、市場規模は日本に比べると1/10くらいでした。今ではアメリカ、ヨーロッパ、そして中国と、各国ものすごく大きなマーケットになりましたけど。

国井 「GEL-LYTE III」といえば、アイコニックなスプリットタンですね。

三ツ井 そうですね、シュータンをシューズとくっつけてしまって、真ん中で縦に2つに割るという。〈アシックス〉の良さは、目に見えないところなんです。クオリティと機能性をとても重視しているメーカーなんですね。ただデザインの立場からすると、自由度が制限されてしまう。だから当時はどうしても、いかにもマラソンシューズといったようなものが多かったんです。

国井 そこは〈アシックス〉の矜持でもありますもんね。

三ツ井 そうなんです。シューエンジニアとか、サイエンティストがとにかく素晴らしい技術を持っていて、どうしてもデザイナーよりもデベロッパーが中心になる。だから僕は、それならこうしよう、ああしよう、という提案をどんどんぶつけました。その条件は飲むから、代わりにこうしてくれないか、と。そうやって妥協点を見つけながら作っていったんです。

国井 そんな「GEL-LYTE III」をデザインした三ツ井さんと、今回の30周年モデルを一緒に作れたというのが僕にとっては本当に感慨深くて。今までを振り返ってもこんなことないんですよ。

三ツ井 まずは国井さんからコンセプトがきてね。

国井 30周年ということで、見える部分のアップデートと、見えない部分のアップデートのバランスから考え始めました。ただ、僕としても以前25周年モデルの反響が大きくて、トリコを求めている人も多かったから、新しいことをするべきかちょっと葛藤があって。

でも今回は三ツ井さんとのコラボだし、自分ひとりじゃやらないことを残したいなと。僕の中にナショナリズムみたいなものは強くないけど、ちょうど2020年でオリンピックイヤーだし、世界に対して日本の印象も強くなるタイミングじゃないですか。サイドパネルに日の丸をドンじゃなくて、つま先からフラッグを駆け抜けるように3Dで彩色するってアイデアは他にないなと。かなり生産泣かせなスペックだとは思うんですけど。



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三ツ井 カラーリングのバランスがいいですよね。神戸と東京でやり取りしながら、そのあたりも詰めていって。製作期間は半年くらいだったかな。

国井 僕はいつもデザインを考えるとき、15分くらいで作っちゃうんです。それは僕がイチからデザイン作業するわけじゃなくて、頭の中にストックしてるネタを引っ張り出して再構築する作業なので、DJタイプというか。でも今回は、僕がAのデザインを送ったら、フィードバックの他に新たにBがやってきて、それを見た僕が最終的にCを出す、という感じで。点のようだけど、実は線で繋がっていて。本当に濃密な時間でした。

三ツ井 全然違うことを提案するんじゃないんですよね。あ、国井さんこういうことやりたいんだなと思って、「その考え方でいくとこういうのもありじゃないですか?」ってアレンジしていく。根底にリスペクトがあるので、その咀嚼の仕方をちょっと変えるというか。細かいディテールも色々変わっていて、僕が作ったオリジナルではヒールのメッシュ部分の中のリフレクターに「GEL」と刻印して、“牢屋のなかにゲルが閉じ込められてる”っていう遊び心を持たせてたんですけど、今回は本当のゲル素材を入れています。

国井 ゲルって内蔵されているものがほとんどなので、単純に手で触って体感をしてもらおうと思ったんですよね。

三ツ井 履き心地もすごく良くてね。

国井 ライニングのなかに低反発の素材を入れたり、内部の縫製に手を加えたり、包み込むようなフィット感にアレンジしています。




「この靴は僕と三ツ井さんのコラボレーションでもあるんです」国井栄之

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三ツ井 インナーソールには、僕と国井さんの名前が入ってるんですよ。二人ともファーストネームが同じで「SHIGEYUKI」だし、「三ツ井」と「国井」もちょっと似ていて。

国井 今回、企業のコラボというよりも、僕と三ツ井さんのコラボというか、“人対人”のプロジェクトでもあるんですよね。だから少しその部分を立てていて。ちなみにスニーカーって、店頭に並べる時も、雑誌で紹介する時も、必ず“左”を使うんです。それは、ロゴが正規の向きで見えるから。だから左のインナーソールに三ツ井さんの名前を入れてます。

三ツ井 いやあ、僕は逆のほうが良かったんじゃないかなって思いましたよ。

国井 ちょっとしたことですけど、これはオリジナルデザイナーの三ツ井さんへのリスペクトなんです。あとは僕からのお願いで、インナーソールの金網と、“東京改”のロゴも三ツ井さんに新たに描き起こしていただきました。

三ツ井 ちょっと粗いんですけど、手描きならではの味が出ていいなと思いましたね。〈mita sneakers〉さんのお店に行くとわかるけど、あの金網がカッコよくてね。それがインナーソールに落とし込まれているのは味があるなと思いました。

国井 あとシューレースなしでスリッポンみたいに履けるようにファスナーを新設しながら、靴を脱いだり履いたりすることの多い日本仕様として、ヒールにプルストラップを追加するなど、新旧様々なスペックを盛り込みました。

三ツ井 デザインの細部まで考えてくださって、僕としてもすごく嬉しかった。お客さんにとっても嬉しいコラボなんじゃないかなあ。

国井 僕はBtoCの“to”の立場なので、本来のイノベーションを損なわず、ライフスタイルにおいても実用的な逸足に昇華させたいと思っているんです。常にスニーカーのコラボレートを行う時は様々なバランスを考慮するのですが、今回のチューニングは絶妙かと。

三ツ井 パーツのディテールも素敵だし、カッコ良く履ける一足だと思いますね。

国井 いつもこういう取材では最後に、「この靴をどういう人に履いてもらいたいですか?」って質問されるんですけど、いつも思うんです。「いや別にないです。ご自由に履いてください」って(笑)。

三ツ井 困りますよね。僕は「どんな人が履いてくれるのかなあ、楽しみだなあ」くらいかなあ。作る側は限定しないですからね、履く人を。




TEXT:Neo Iida
PHOTO:Akinobu Maeda
EDIT:Akira Kuroki

MOVIE

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■商品情報

Item : GEL-LYTE III OG (1193A185.000)

Color : WHITE / TRICOLOR

Price : ¥18,200 + tax


■取扱店舗

アシックス原宿フラッグシップ(平日11:00-21:00、土日祝10:00-20:00)

アシックス大阪リンクス梅田(平日10:00-21:00、土日祝10:00-21:00)

発売日当日1月23日(木)に先着販売となります。
下記の注意事項をご確認いただき、ご承諾いただいた方のみ販売対応させていただ方のみ購入いただけます。

※同時発売のアパレルに関しての展開・販売条件につきましてもシューズと同条件での販売となります。

※アシックスオンラインストアでの取扱はございません。


■注意事項

<整理券販売の実施について>

  • 整理券は、おひとり様1枚の配布となります。お並びいただいたご本人様分のみ配布となります。
  • お並びいただいた順に列整理させていただき、整理券を配布致します。
  • 入場の際に当日の整理券を確認いたします。
  • 本券の譲渡・転売は固くお断りいたします。紛失の際は無効となり再発行はできません。
  • 混雑が緩和した際は、入場整理券の配布を終了する場合がございます。
  • 整理券には、各店に再度ご来店いただくお時間と注意事項を記載しております。ご案内時間までに指定の店舗までお越しください。
  • 整理券はご購入をお約束するものではありません。
  • 整理券記載のお時間にお越しいただいた際に、ご希望の商品・サイズが売り切れとなっている場合がございます。また、ご購入希望者多数の場合、お並びいただいてもご購入いただけない可能性がございます。ご了承ください。
  • 整理券に記載の各時間に、番号順にご案内いたします。
  • ご案内時間に遅れた場合や整理券をお持ちでない場合は、いかなる理由であっても無効とさせていただきます。
  • 整理券をお持ちでないお客様も、整理券をお持ちの全てのお客様のご案内が終わり次第、ご入場が可能です。
  • 商品には限りがございますので、品切れの際はご容赦ください。
  • 当日は各店舗のOPEN2時間前より先着順にて整理券を配布致します
  • ご購入はお一人様、1モデルにつき一点のご購入とさせていただきます。
  • お並びいただく際には、店舗スタッフ及び警備員の指示に従っていただきますようお願いいたします。指示に従っていただけない場合は、販売をお断りする場合もございます。
  • お並びいただいたお客様の状況によっては、整理券の配布時間、また開店時間が変更になる可能性がございます。
  • ご本人確認のため、列整理、整理券配布の際に顔写真付きの身分証(コピー、期限切れ不可)の提示をお願いいたします。
  • 顔写真付きの身分証をお持ちでないお客様は、いかなる理由でも、販売を行うことができません。身分証は以下のいずれかをお持ちください。
    免許証/写真付き学生証/写真付き住民基本台帳カード/パスポート/外国人登録証/在留資格カード/身体障がい者手帳
    ※ご本人様と確認できない場合は、理由に関係なく無効とさせていただきます。
  • 速やかなご案内を心掛けますが、フィッティングなどにより、開店してからご案内までにお時間がかかる場合がございます。
  • 数量限定の商品につきましては、ご入店の際に完売してしまう場合がございます。
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    ※いかなる場合も途中割り込みは不可となります。
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