

対象年齢: 最初のよちよち歩きの約3カ月間に贈る一足目。

●成長に合わせたシューズ作り
アシックスは、成長に合わせたシューズ作りをコンセプトに開発を進めています。ベビーには、足裏全体を使う「ぺたぺた歩き」に対応したミドルカット~ローカットのシューズ。プレスクールでは、土踏まずを作っていく時期に対応した、足ゆびが使いやすく屈曲性のよい「はだし感覚」のシューズを開発し、子どもたちの運動量が自然に増えるような動きやすさを重視しています。運動量が増えるジュニア期は足への障害が増える時期でもあるため、衝撃緩衝材でクッション性を高め、中敷のアーチサポートで足の負担を軽減できる靴を開発しています。 このような成長に合わせたシューズ開発から、ベビーのさらに前段階である「歩き始め」の時期に適した「スクスクファースト」が誕生しました。
●ファーストシューズの研究
「スクスクファースト」の製品化にあたり、歩き始めのお子さまたちにさまざまな種類のシューズで歩いてもらいました。
アシックスのファーストシューズが歩きやすいかどうかを確認するため、
お子さんの身体に取り付けた反射マーカーを6台のCCDカメラで撮影。
その軌跡を三次元座標化し、関節の角度変化などを算出しました。
このほか、歩き始めのお子さんを自宅で撮影していただいた歩行ビデオも数多く分析しています。
●この時期の足に必要なポイント
前足部に大きな衝撃のかかった歩き方をしない、この時期の赤ちゃんの シューズは、屈曲性を高めるためにミッドソールは採用していません。 また、赤ちゃんのやわらかい肌に配慮して、シューズの内部は、縫い目や段差などを少なくし、肌にやさしい素材を全面に貼っています。 そして、不安定な歩行をサポートするため、靴底面をフラットにし、転びやすい赤ちゃんのつまずきを少なくするように、つま先部分は巻き上げ形状を採用しています。 すべては、最初のよちよち歩き、はじめての歩行が楽しくなるようにファーストシューズのこだわり機能です。

●開発者コメント
私たち大人は普通、歩くときにかかとから着地します。私たちの研究から、歩き始めの子どもはそうではないことがわかりました。かかとから着くこともあれば、つま先から着くことも、足の裏全体で着くこともあります。さまざまな論文を見ても典型的な歩き方が書かれているだけですが、実際に子どもたちが歩いている画像を見ると、実に多種多様な動きをしていることに改めて驚かされました。
子どもは歩行中に急に向きを変えたり、止まったりもします。すり足で歩くかと思えば、大胆に足を上げて振り下ろすこともあり、一歩一歩学習しているようです。私たちが開発した「スクスクファースト」は、そんな赤ちゃんのいろんな動きに対応できるように作られています。
(松本直子/アシックススポーツ工学研究所)
