医療に携わる人たちの足元を支えているアシックスメディカルシューズ。
スタッフをバックアップする仕事。
昨年4月から緩和ケア病棟の看護師長として18名の看護スタッフを統括しています。緩和ケア病棟は、手術や抗がん剤、放射線療法などのガン治療をこれ以上希望されない患者さんの、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛を緩和させることが仕事です。昨年までは看護主任としてベッドサイドでのケアや点滴注射といった、直接患者さんに関わる仕事をしていました。師長になってからは直接看護にあたることは少なくなり、管理業務というデスクワークが中心になりました。いまはスタッフが働きやすい環境づくりを心がけています。
患者さんの人生に関わる仕事。
実を言うと、以前は看護の仕事を深く理解しておらず、治療という面でしか見れていませんでした。しかし「緩和ケア」に関わり、考え方が変わるようになりました。人の人生の一部分に立ち会っているというか、その患者さんがこれから生きていくためどんなお手伝いができるのかなど。患者さんにとっては側にいる看護師が一番話しやすいんですよ。普通、初対面の人には話さない金銭的なことや精神的なことまで話していただき、信頼していただいているのだと思います。いまでは患者さんのことを理解するうえでとても大切な仕事だと思っています。
患者さんの表情も見逃さないように。
今年、外科病棟から緩和ケア病棟へ移動してきました。外科病棟にいたときはとても忙しく、いつもバタバタしていましたが、この病棟では時間が静かにゆっくりと流れている感じです。患者さんはご高齢の方が多いので、言葉遣いに気をつけて接しています。それからその患者さんが何を感じておられるのか、苦痛があればそれはどんなことなのか気を配るようにしています。意思表示ができない患者さんもおられるので、表情を見逃さないようにして少しでも痛みを癒やせるように心がけています。
「ありがとう」の一言でがんばれます。
病院では緊張で体がガチガチになってしまうので、ヨガに通い気分転換しています。夜勤もあるので、どうしても変則的になるんですけど、時間を見つけては体を伸ばしてリフレッシュするようにしています。私は看護学生の頃から、患者さんやご家族の方々に寄り添って看護できるようになりたいと思っていました。苦痛や不安を取り除いて寄り添ってあげたいし、もっともっとそうできる看護師になりたいと思っています。やりがいのある分、落ち込むこともありますが、患者さんやご家族の方から「ありがとう」と一言いってもらえるだけで、がんばって良かったと思えます。
親身になって患者さんのお話を聞く。
内科に勤務していましたが、2年前に緩和ケア病棟開設時のメンバーに選ばれました。緩和ケア病棟では、患者さんと深く関わることが仕事になってきます。他の病棟では話さないような部分まで話をして、患者さんの気持ちを受け止めたり、こちらから不安や苦しみを聞き出したりして、体の痛みだけでなく寂しさだとか不安を癒やしていきます。あまりにも患者さんの気持ちの中に深く入っていくので、いつの間にか自分も落ち込んでいることがありますよね。それでも患者さんと同じ時間を過ごして一緒に楽しむことで、私たちも癒やされています。
子どもと一緒に遊んでストレス解消。
人の命を見守る仕事なので、当然ストレスはあります。だから私は、病院を出ると仕事のことは考えないようにしています。趣味はアウトドアで、以前はキャンピングカーを借りてキャンプをしたりしていましたが、今は子どもがまだ小さいのでバーベキューをするぐらい。たぶん子どもと一緒に遊ぶことがストレス解消になっているのでしょうね。患者さんには、忙しそうにしたり近づきにくい雰囲気を感じさせないようにして、いつでもお話を聞くよ、という姿勢を心がけています。
仕事に慣れるまで毎日が辛かった。
以前は小児科病棟にいました。緩和ケア病棟に来て、初めのうちは泣いてばかりで慣れるまでは大変でした。この病棟では、今まで忙しさを理由に見過ごしていたり、見ないふりをしていた患者さんの心の中の思いに触れる事が多く、患者さんと親しくなりすぎて辛くなってしまったのです。落ち込んだりもしましたが、でもそれは逆に自分の心の成長にもなったようで、緩和ケアと言う仕事に強く興味を持つようになりました。
緩和ケアの勉強を続けていきたい。
私のストレス解消法は、おいしいものを食べること。そしてランニングをすることです。1回に4キロぐらい川沿いを走ると、いい気分転換になります。大会に出るとか、目標があるわけではありませんが。仕事の方では、これからさらに緩和ケアの勉強を続けていきたいと考えています。いま「看取り」という仕事にやりがいを感じ、県外の研修にも参加したりしています。実はこれまで人には「看護師の仕事はしんどいから辞めた方がいいよ」と言っていたんですが、最近ではやりがいを感じられ、長く勤めるほど働きやすくなってきたので、これからも頑張っていきたいと思います。
※使用者個人の感想です。