バスケットボールとは経験のスポーツである

2016年に開幕し、プロバスケットボールリーグ1年目を大成功に収めたB.LEAGUE。初代王者を決めるファイナルゲームでは、惜しくも栃木ブレックスに敗れて準優勝に終わった川崎ブレイブサンダースだが、レギュラーシーズンではリーグ最高勝率となる.817という驚異的な記録を達成した。その躍進をキャプテンとして牽引してきた人物が篠山竜青選手だ。2年目がスタートしたB.LEAGUEにも期待がかかる。


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司令塔にあたるポイントガードを務める篠山選手は、身長178cmとバスケットボール選手として決して大きな選手とはいえない。その体格差を埋めてマッチアップするために心がけていることとは何だろうか。

 

「小柄な選手の特徴に、飛び抜けたスピード・跳躍力、コンタクトプレーに強いフィジカルなどが挙げられますが、僕にはあまり当てはまらないんです。だから、人一倍に頭を使ってプレーすることを心がけています。頭を使って身体能力をカバーして、ノーマークの選手にパスを送って得点へと繋げる。特にポイントガードは経験が求められるポジションですし、バスケットボール自体も経験のスポーツと呼ばれています。そういう意味では、試合だけでなく練習も無駄にしないという意識が重要です」

 

練習への意識、それはトレーニングについても及んでいる。篠山選手は2014年に左すねを骨折したことがきっかけで、怪我の予防や体の柔軟性に対してシビアに向き合うようになった。

 

「ウエイトトレーニングでは、試合のどんなシチュエーションに必要で、どんな怪我の予防に繋がるのかを頭に入れてから取り組むようになりました。あとは単に重いものを持ち上げるのではなく、正しいフォームや重量設定にも意識を向けるようになりましたね。とにかく重いものを何回も持ち上げればいい。若いときはそう思っていたのですが、バスケは膝も足も股関節も重要なので、それらの可動域を広げるためのストレッチについても、以前とは比較できないほどに学ぶようになりました」

 

怪我の予防にはバスケットボールシューズの選択も大きく関わってくる。ASICSの契約選手の一人である篠山選手だが、なぜASICSのバッシュを愛用しているのだろうか。

 

「ミニバス時代からASICSのバッシュを履いてきて、日本人の足に一番合っていると思うんです。足首のホールド感は怪我の予防に繋がりますし、背が低い僕はオフェンスもディフェンスも切り返しのプレーがかなり大事な要素になってくるんですね。そういったハードな動きの中で、ASICSのバッシュは一番コートに吸い付く感覚があります。僕はコートとシューズと足という一連の関係を大事にしているので、今履いているバッシュに関しては、いろいろとリクエストさせていただきました」

篠山選手のシューズ TRIFORCE 2 (TBF325) のオリジナルカラー

 

等々力アリーナの席が真っ赤に染まるなんて想像できなかった

 

冒頭で述べたとおり、B.LEAGUE元年は充実しながらも悔しさを経験した篠山選手。今季も川崎ブレイブサンダースのキャプテンだが、昨シーズンを次のように振り返ってくれた。

 

「B.LEAGUEになるまでは企業の部活動だったので、180度すべての環境が変わりました。川崎市に根付く活動から集客も含めて変化がある中、右も左もわからないまま駆け抜けたシーズンでしたね。ファイナルゲームでは本当に悔しい結果に終わりましたけど、やはりレギュラーシーズン最高勝率を記録するなど、チームとしては非常に強さを示すことができたシーズンだったと確信しています。2017-2018シーズンに向けて移籍や引退もありましたが、主力選手はここ数年変わっていない状況です。今年は激戦の東地区に入りましたが、まずはプレーオフ、チャンピオンシップを目指して成長できるメンバーが揃ったと思います」

篠山選手

B.LEAGUE元年は開幕戦から多くのファンが試合会場に集った。かつてないほどに観客の声援は会場に響きわたり、コートで凌ぎを削り合うプレーヤーたちの背中を後押しした。そのパワーの大きさを篠山選手も感じていたのだった。

 

「僕らのホームである等々力アリーナはそれまで平均入場者数が1,000人未満でした。それがB.LEAGUE元年には何倍ものお客さんが足を運んでくれて、チャンピオンシップでは超満員のお客さんの前でプレーできて、本当に幸せでした。NBL時代は等々力アリーナの席があんなに埋まるなんて想像できなかったですし、真っ赤に染まった等々力アリーナというのは本当に印象的でしたね」 

篠山選手

B.LEAGUE2年目に向けて、チームは非常に良い状態をキープしている。篠山選手個人にとっては8月に待望の第一子が生まれるといううれしいトピックも訪れた。一人の男から父になり、プレーに臨むモチベーションには必然的に変化が訪れた。

 

僕が現役のバスケットボール選手であり続ける以上は運動会に参加できないとか、卒業式に参列できないので、その分、“父ちゃんはすごいプロバスケットボール選手なんだ”と我が子にとって誇らしい父親でありたいです。それこそもっと頑張らないといけないんですが、今はとにかく子どもに会いたすぎて(苦笑)」

 

日本代表のポイントガードは篠山竜青だ


コートと観客との距離が近く、激しくスピーディに競り合う選手たちの臨場感が伝わってくるバスケットボールは、得点の入れ合いが多く、息つく暇がないほどに迫力のあるスポーツだ。篠山選手も「それは他競技にはない魅力ですね」と切り出す。

「バスケはやはり一人のスター選手だけでは勝てないですし、コートの中の5人だけでも勝てない。ベンチも含めた12人の総合力で戦わないと頂点には立てないですし、そういったチームプレーが一つの魅力なんです。また何回も選手交代できるので、一人が誰かのために犠牲になるプレーもありますし、そういう点はまさにチームスポーツの醍醐味。それが成功したときの快感が勝利につながると一番うれしいんです」

篠山選手

 篠山選手は日本代表にも選出されるアスリートだが、B.LEAGUE人気が盛り上がる中、そのひょうきんなパーソナリティでも人気を集める存在だ。周囲から注目される立場にあるわけだが、決して自らの足元を見失わず、その役割を確かに見据えている。

 

「B.LEAGUEを文化として根付かせていくことが、選手や子どもたちにとっても重要だと思います。その役割を担うのが僕ら選手ですし、それをさらに根付かせるためには日本代表が活躍するというのが重要なんです。テレビやメディアに出るのは大好きだけど、B.LEAGUEのためにも代表で活躍し続けて、バスケットボールの注目度を高めて文化にしていくこと。それが僕の目標ですね」

 

29歳となり、選手としては若手から中堅へとシフト。自分を脅かす若い才能の勢いをひしひしと感じている。世代交代の波はいずれ訪れるが、「日本代表のポイントガードは篠山竜青だ」と言われる絶対的なイメージを定着させたい。それは来たる2020年にも言えることだ。

 

「東京が開催国なのは本当にうれしいですが、バスケットボール日本代表は自国開催の推薦枠を得ているわけではないので、危機感とメンバーに選出されて活躍したいという気持ちが大きなモチベーションになっています。僕は2020年に32歳を迎えますし、レベルの高い若手選手はいくらでもいますが、今は経験、肉体としても成熟してきた今だからこそ、篠山竜青のイメージを示したい。毎回の代表招集が最後かもしれないという危機感もありますが、その気持ちが強くなるにつれて、代表への想いも大きくなっています」

篠山選手

篠山竜青(シノヤマリュウセイ) 

 1988年生まれ、神奈川県出身。178cm 78Kg。北陸高校、日本大学を経てジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(通称:B.LEAGUE)に参加する、川崎ブレイブサンダースのポイントガード。2014年よりキャプテンを務めている。FIBA ASIAカップ 2017の日本代表チームメンバーに選出。


TEXT:Shota Kato PHOTO:Takuya Nagamine


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