幼い頃、父や母は最も身近なヒーローだった。成長し、その存在がやや疎ましく思えてきたとしても、心中ではかっこよくあってほしいと願っていたりするものではないだろうか。とはいえ大人の日常は忙しく、我が子にその「雄姿」を見せる機会はあまりない。

 

そこで、スポーツだ。親子で一つの目的・体験を共有するスポーツは、子どもの前で輝く絶好のチャンスを与えてくれる。

 

今回は、いつまでも息子にとってのヒーローでありたい父親と、思春期の入口に差し掛かった子どもが“スポーツ鬼ごっこ”こと「X TAG GAME」に挑戦。果たして父は、我が子の尊敬を得ることができるのだろうか?

野球好き仲良し親子がチャレンジ!

今回、「X TAG GAME」に挑むのは、SHOGOさん(39歳)とTAIKIくん(10歳)。ともに野球好きで普段からよくキャッチボールをするという仲の良い親子だが、鬼ごっこは久しくやっていない。X TAG GAMEも初体験だ。

SHOGOさん(左)とTAIKIくん(右)

X TAG GAMEとは?

そもそも「X TAG GAME」とは、障害物が置かれたフィールドで行う鬼ごっこ。「本気の鬼ごっこ」とも呼ばれ、新しいスポーツとして競技化されている。街中の障害物を利用して自分自身を鍛える「パルクール」の流れを汲んでおり、トッププレイヤー同士の戦いはスピーディーかつアクロバティックかつスリリングだ。

入念なストレッチ

かなりハードな動きが要求されるため、入念なストレッチで筋や関節をじっくり伸ばしておく。

パルクールの第一人者に動きを教わる

なお、今回親子を指導してくれるのは佐藤惇さん。2006年からパルクールを実践する、国内の第一人者だ。共同代表を務めるSENDAI X TRAINでは、安全で楽しいパルクールやX TAG GAMEの遊び方を啓蒙している。

佐藤惇さん

フランスで「YAMAKASHI」(※世界最初のパルクール集団)に師事したこともあるという佐藤さん。まずは、本場仕込みのワザを披露していただいた。

本場仕込みのワザを披露
本場仕込みのワザを披露
本場仕込みのワザを披露

飛んだり、跳ねたり、くぐったり……まさに「ニンジャ」である。身軽にも程がある。よほど高性能なバネが、全身に仕込まれているのだろう。

まずはやってみよう!

何はともあれ、まずは体験してみることに。佐藤さんから簡単なルール説明のみレクチャーを受け、とりあえず本能のまま追っかけ合ってもらう。

X TAG GAME

「X TAG GAME」は基本的に1対1のタイマン勝負。鬼役と子役に分かれ、20秒の間にタッチすれば鬼役の勝利、逃げ切れば子役の勝利となる。

 

1本目はTAIKIくんが鬼役。小4ならではの俊敏かつ猛烈なチェイシングに、あえなく追い詰められる父。制限時間を5秒ほど残し、まずはTAIKIくんが先勝。

攻守交替し、今度は父・SHOGOさんが鬼役に。すばしっこい我が子に翻弄されるも、長いリーチと父の意地でなんとかタッチ。ファーストゲームは1勝1敗のイーブンとなった。

 

それにしても二人、なんとも楽しそうである。特にTAIKIくん、最初は緊張していたようだが、鬼ごっこが始まるや少年らしい笑顔が戻った。やはりスポーツはいい。年齢問わず、手っ取り早く心を解放してくれる。

「パルクール」のワザを覚えよう!

さて、初見でも楽しい「X TAG GAME」だが、障害物を華麗にエスケープするパルクールの動きを覚えると、なお面白くなる。ワザを習得することで戦略の幅も広がり、ただの障害物鬼ごっこが、知略とテクニックを駆使した最新スポーツに昇華するのだ。

障害物を華麗にエスケープするパルクール

たとえば、走りながらスピードをつけてバーを越える「ステップボルト」というワザ。ただ単にまたいでいるようでいて、「ジャンプしてから足を引き付ける」、「手でしっかりバーを押して腰の位置を高くし、膝が引っかからないようにする」など、効率的に移動するためのコツがちゃんとあるようだ。

手と足を同時に押し出し身体を真横に飛ばすのがポイント

立ち止まった状態から障害物を超える時は、「ツーハンド」を推奨とのこと。手と足を同時に押し出し身体を真横に飛ばすのがポイント。片足で着地すると、そのままスムーズに走り出すことができる。

明らかに動きが変わる父

というわけで、さっそく教わったワザを駆使すべく、再び親子対決へ。

 

まずはTAIKIくんが鬼役。父を追いかける。しかし、明らかに変わった父の動きに、TAIKIくんなかなか距離を詰められない。

そのまま見事に逃げ切った

 

パルクールという翼を得て、ギアが一段上がったSHOGOさん。そのまま見事に逃げ切った。

 

攻守交替。アジリティを活かして必死に逃げるTAIKIくん。 しかし、大人の知略によって囲いに追い込まれ、捕獲される。

なんと、第二ゲームは父・SHOGOさんの完勝となった。

残り時間を12秒も余しての圧勝

残り時間を12秒も余しての圧勝。やや大人げない気もしたが、SHOGOさんはTAIKIくんに常々「スポーツは本気でやらないと意味がない」と教えているそう。今回もまさに、身をもってそれを示した形だ。こうした遊びにも、全力で向き合ってくれるお父さん。変に冷めて適当に流す大人より、よっぽどかっこいいんじゃないだろうか。

さらなるスゴ技でヒーローに

実はSHOGOさん、ずっとスポーツに親しんできただけあって、そもそもの運動能力が抜群に高い。

休憩中に垂直の壁を駆け上って遊ぶSHOGOさん

写真は、休憩中に垂直の壁を駆け上って遊ぶSHOGOさん。

 

30年にわたる運動経験が培った、スポーツマンとしての地肩の強さ。これなら、もっと高度なワザもできてしまうかもしれない。

そこで、TAIKIくんから離れ、こっそり先生に上級テクを教わるSHOGOさん。

 

さあ、ヒーローになる準備は万端だ。さっそく息子の前で披露してもらおう。

お見事! とてもビギナーとは思えない、美しい「壁走り」がキマった。SHOGOさん、本当にパルクールの才能あるんじゃないだろうか……。

親子が履いていたシューズ

TAIKIくんに聞いてみた。どう、お父さんすごい? かっこいい?

 

TAIKIくん「いや、すごいのは前から知ってるから……」

 

少しぶっきらぼうなその口調はしかし、どこか誇らしげだった。どうやら我々がアレコレお膳立てするまでもなく、TAIKIくんのなかでお父さんはとっくにヒーローだったようだ。

超話題作『インクレディブル・ファミリー』とASICSのコラボシューズ

さて、今回親子が履いていたシューズだが、実はとあるアニメーション映画とASICSがコラボした特別製である。

その映画とは、8月1日より全国公開される『インクレディブル・ファミリー』。先だって封切られたアメリカでは全米歴代アニメーションNo.1の累計興行収入を達成し、日本でも、インクレディブル(途方もない)な旋風を巻き起こすこと必至だ

 

ASICSでは、そんな超話題作とコラボしたランニングシューズを発売。同作の主要キャラクターをイメージした5種類のコレクションを揃えた。

 

『インクレディブル・ファミリー』の軸である「家族愛」や「スーパーヒーロー」というテーマは、スポーツでヒーローになりたいお父さんにぴったり。

 

今年の夏休みはこのコラボシューズを履いて、我が子にかっこいい姿を見せつけてはいかがだろうか?

楽しそうな二人

それにしても楽しそうだ……。

 

ASICS X インクレディブル・ファミリー コレクション登場! | アシックス Japan - ASICS

https://www.asics.com/jp/ja-jp/incredibles

 

X TAG GAME

http://xtaggame.com/

 

取材・構成・執筆:榎並紀行(やじろべえ)
写真:森カズシゲ
編集:はてな編集部