2007年に始まって以来、いまや東京の冬の風物詩となった「東京マラソン」。回を重ねるごとに認知度が高まり、ここ数年のエントリー倍率はいずれも10倍以上という人気ぶりです。


2013年大会からはアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)に加入し、世界6大マラソン大会として海外からの注目も集める同大会を運営するのが、一般財団法人 東京マラソン財団。これほどまでの人気を誇る理由と、約1ヶ月後に開催が迫った2018年大会の見どころを、同財団運営統括本部競技運営部、吉川紗希さんに話を聞きました。

東京マラソンの開催を通じて、ランニングスポーツの魅力を発信

——東京マラソン財団では具体的にどのような仕事をされているのですか?

吉川 当財団は、毎年2月に開催する東京マラソンの運営を軸に、関連するさまざまなランニングイベントの開催やランナーサポート施設の運営を通じて、ランニングスポーツの普及・振興活動を行っています。私は3年前に職員になって、現在は運営統括本部競技運営部に所属しています。東京マラソンでは、主にエントリー業務と医療救護を担当しています。


——やりがいや大変な点はどんなところですか?

吉川 私自身も職員になって驚いたのですが、当財団は現在職員が20人程度と、割と小規模なんです。そのなかで、ランナー募集からコース設定、警備や沿道の使用許可など、各所調整業務全般を賄うので、1人でいくつもの業務に携わることになります。内容が多岐にわたるので、その都度頭を切り替えて前へ進めるのに最初は苦労しました。とはいえ、いろんな角度から大会に関わることができるので、大変さ以上にやりがいを感じています。昨年の2017大会では初めてのコース変更もあったので、例年以上に調整や準備に時間がかかりました。

——吉川さんはじめ、財団のスタッフにはランナーが多いのですか?

吉川 そうですね、割と多いと思います。大会に出ている方もちらほら。最近走れていないですが、私も過去にハーフマラソンの大会に出たことがあります。沿道から応援されると頑張ろうと思えて、完走できました。タイムはかなり遅いのですが……(笑)。走っていると無心になって集中できるのがいいですね。たまに仕事帰りに当財団が運営する「ジョグポート有明」を使って走ることもあります。

今年の当選倍率は約12.1倍!"東京らしさ"を打ち出したコース内容が人気の勝因

——応募総数、エントリー倍率が年々上がっていると耳にします。2018大会の状況は?

吉川 一般エントリー(マラソン、10km)の申し込み者数は320,794人。参加当選倍率は約12.1倍でした。開催初年度は約95,000人だったので、すごいことですよね。こうしてメディアの皆さんに取り上げていただいたことも多いに影響していると思います。


——当選するための攻略法はあるんですか?

吉川 これは本当に"運"としか言いようがないんです。当財団が運営する「ONE TOKYO」のプレミアムメンバー(有料会員)に加入していただくと、一般エントリー前の先行エントリーに申し込めるという特典を設けています。ただ、こちらも当選は"運"しだいです。


——東京マラソンがここまで大人気レースとなった背景には、どんなことが関わっていると捉えていますか?

吉川 個人的な意見になりますが、1つは、ふだん走れない東京のど真ん中を走れるというコースの魅力があると思います。東京タワー、スカイツリー、雷門や蔵前などの下町の街並み、そして昨年から新しくなったフィニッシュエリアの行幸通り〜東京駅前。東京駅を背に、皇居に向かってフィニッシュをするのは、さぞ気持ちがいいだろうなと思います。2つめは、国内外の招待選手、エリート選手の新記録への期待。昨年のコース変更によって、より記録を狙える高速コースとなり、男女共に国内最高記録を更新しました。そういった世界最高水準のランナーと一緒に走ることができるのも醍醐味のひとつだと思います。

——応援側の熱も年々高まっているように感じます。

吉川 そうなんです! ありがたいことに毎年楽しみに観に来てくださる方も増えていて。一般参加のランナーに完走後に答えていただくアンケートにも、「声援がすごかった」という感想が多いです。コース全体を通して大勢のギャラリーいて、どこを走っていても「頑張れー!」という声が途切れないのも、東京マラソンの特徴ですね。

ランナーも観客も、東京の街と人が一体となって楽しめる大会へと精度を高めていく

——今年もいよいよ開催が間近に迫ってきました。あらためて、主催者視点から東京マラソンの見どころを教えてください。

吉川 うーん、悩みますね、全部です(笑)。でもやはり、参加する方には36,000人のランナーが一斉に集うスタートエリアの独特の雰囲気を楽しんでもらいたいですね。そして繰り返しになりますが、東京駅を背にしたフィニッシュエリアも、完走したらきっとえも言われぬ爽快感を味わえるはずです。2月1日から、「東京マラソンウィーク」と題して、都内各所で東京マラソンの魅力を紹介するイベントを行うので、ぜひ目を留めていただけたらうれしいです。

——まだ東京マラソンに馴染みの薄い人に向けて、何かメッセージはありますか?

吉川 まずは一度試しに、コースの沿道からランナーが走る様子や大会の雰囲気を見てもらえたら、興味を持っていただけるのではないかと思います。ユニークな格好で走っている人を眺めるもよし、知り合いを応援するもよし。私は入団前の2010年大会でボランティアスタッフとして関わったことがあるのですが、その時、一生懸命走るランナーの姿を間近で見て、感動したのを覚えています。もちろん、ランナーとしての参加にもぜひ挑戦して見て欲しいです。完走率の高い大会なので、マラソン初心者の方もたくさんいらっしゃいます。


——世界を代表する市民参加型のマラソン大会となりましたが、今後のビジョンを教えてください。

吉川 また個人的な意見になってしまいますが、東京マラソンを開催するために、コース沿道の民家や敷地、お店の方々に多大なご協力をいただいています。回を重ねるごとに、「今年も応援しているよ」と、積極的に協力してくださるエリアも多くなってきました。その一方で、東京マラソンが近くで開かれていることを知らないエリアもまだまだあります。そんな方々にも、一度見てみようかなと思ってもらえる大会へと、より精度を上げていきたい。走る側も、応援する側も、コースの一部となる街もそうでない街も、東京全体で楽しめる大会になればいいなと思っています。

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アシックスは、東京マラソン2018のオフィシャルパートナーです。



TEXT:Shota Kato      PHOTO : Shinichi Yamada