早稲田大学体育各部に関しては、どの新聞社よりも詳しく取り上げている自負がある

学生スポーツの最高峰である大学スポーツの魅力を伝えるこの企画では、早稲田大学応援部、慶應義塾體育會蹴球部(ラグビー部)を訪ねてきましたが、いよいよ今回が最終回。第3回目に登場するのは早稲田大学公認サークル「早稲田スポーツ新聞会」(以下、早スポ)です。

早スポでは『早稲田スポーツ』という1959年から早稲田大学体育各部の動向を伝える新聞を発行し、記者である学生たちはすべての競技と選手たちを追いかけています。大学スポーツを報じる立場から見えてくるその魅力とは? 新聞作成を行っている印刷社を訪れ、早スポ編集長の新津利征さん(社会科学部3年)と競走担当チーフの鎌田理沙さん(文化構想学部3年)にその魅力を聞きました。


——早稲田スポーツ新聞会は『早稲田スポーツ』をどんなコンセプトのもとに発行しているのでしょうか。


新津 現在、早稲田大学には44の体育各部があるのですが、そのすべてを取材して、どこよりも早稲田大学に特化した詳しい情報をお届けするということを第一に掲げています。早スポが創立された1959(昭和34)年当初は「全ての体育各部に光を」という概念を掲げていました。


——新聞はどういった形で読者の方たちに行き渡っているのですか?


新津 大学内での配布がメインになりますが、野球の早慶戦の際は試合会場の神宮球場周辺で1部100円にて販売していますし、ラグビーの早慶戦の際は秩父宮ラグビー場の入場口で無料配布しています。箱根駅伝では各中継地点付近に置かせていただいていますね。

——どれくらいの人数が所属しているのですか?


新津 150名ほどいます。活動頻度は人それぞれなので、毎日のように活動している人もいれば、ひとつの競技だけしか取材しないような学生もいますね。まず早スポに入部すると、野球班かラグビー班に所属するという制度があるんです。野球とラグビーの紙面制作はやはり人数が必要なので。


鎌田 私が所属している競走班は50人弱の規模ですね。地方で開催される小さな記録会を含めて、ほぼ全試合を取材しています。


——ほぼ全試合ですか?! 時間と遠征費も結構費やしている印象があります。


新津 『早スポ』は部活ではないので、大学から支援していただけるお金はサークルと同等なんですね。なので、取材に必要な交通費や宿泊費は自分たちで出しています。『早スポ』は平均1万部を刷って多くの皆さんに届けているので、記事の校閲にも力を入れていますし、早稲田に関してはどの新聞社よりも詳しく取り上げているという自負があるので、そこに恥ずかしくないようにという意識は強いですね。


鎌田 現場でプロの記者さんとお話しさせていただく機会があるんですが、早稲田担当の記者さんにも「最近の早稲田はどうなの?」と動向を聞かれることもありますね。

ひとつのタスキを繋ぐという点に、大学スポーツの壮大なロマンを感じる

——大学スポーツは高校と社会人、あるいはプロスポーツの中間にあたりますが、その魅力をどのようにとらえていますか?


新津 大学は学生という括りでは一番上で、アマチュアスポーツの中ではかなりのレベルの部類です。4年生が卒業すると新1年生から新しい戦力が出てくる新陳代謝がスムーズですね。新しくなるものと古くからあるものが共存する面白さ、アマチュアスポーツとしてハイレベルという2点が魅力だと思います。


鎌田 たとえば駅伝のチームを見ていると、大学スポーツは4年間というタイムリミットがあることがひとつの魅力だと思います。限られた4年間の大学生活を競技に充てるというのが、選手の本気度に繋がっていくので、ファンの方たちもそれを意識して見ているのかなって。以前、渡辺康幸元駅伝監督が「4年生が強いチームは強い」とおっしゃっていたんですが、まさにその通りといいますか。

駅伝

——駅伝という競技に限定すると、取材する立場からその醍醐味はどう映りますか?


鎌田 意外と大会の出場選手の中にも実力の幅があるんです。現役選手でありながらオリンピックに出場する選手もいながら、4年生でやっと大会に出られるようになった選手もいるんですが、そういった選手たちがひとつのタスキを繋ぐという点に、大学スポーツの壮大なロマンを感じますね。早稲田の中でも卒業後の将来有望という選手もいれば、4年生で引退するという選手もいますし、将来への温度差はあるものの、チームのためにタスキを繋ごうという心は変わりませんね。


新津 駅伝は三大大会(全日本・出雲・箱根)と言われるレースがありますが、特に箱根駅伝は過酷だと思います。コースを走るときは孤独でも、タスキを繋ぐときはチーム感が伝わってきますし、箱根駅伝を走りたいから早稲田に入学したという選手も多くて、実際に僕らが書く記事でも、駅伝への強い想い、伝統ある早稲田のタスキをかける・繋ぐ責任などが語られますし、チームへの想いに魅力を感じます。


鎌田 駅伝に関しては番記者と呼ばれる特定の選手に密着取材する記者が10人ほどいるんですね。駅伝シーズンになると、2週間に1回はかならずどこかで試合があるので、そこで取材を行ったり、ストーカーのように合宿まで、追いかけたりして(笑)。

駅伝記事を編集する2人

——駅伝は大学スポーツのシンボルのひとつですし、『早スポ』の紙面やウェブサイトにも何か影響は表れますか?


新津 そうですね。駅伝に関しては記事のPV数が飛躍的に伸びます。人気は他の競技と段違いかもしれません。箱根のコースで無料配布する新聞もすぐになくなっちゃうんですよ。記者一人に100部くらいを持たせて各中継地点付近に配置するんですけど、あっという間に無くなりますね。


——箱根駅伝の話が出ましたが、その見どころを教えてください。


新津 まず、コースが大手町という大都会から箱根という温泉街を目指すので、シーンの移り変わりを楽しんでいただきたいです。各区間で生まれるドラマやチームごとの駆け引きも魅力ですので、ぜひご注目ください。


鎌田 コースを把握すると、より面白く観戦できると思います。前回大会から4区と5区の距離が変更されましたし、箱根ではコースの地形も選手の走りに影響を与えます。「早スポ」ではそれを踏まえてわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしていただきたいですね。あとは各選手の調子を把握しておくのもオススメですよ。直前の記録会での記録をチェックするだけで、誰がどの区間にエントリーするかもしれないと予想できますし。「早スポ」としては11月下旬に紙面の会議を終えたばかりですので、私たちも選手さながらの気持ちで箱根駅伝に臨みたいと思います。

箱根駅伝

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TEXT:Shota Kato  PHOTO:Hiroshi Ikeda