選手主体のスタイルが立命館ホッケー部の魅力

大学スポーツの魅力を伝える本企画。ASICSが包括的連携交流協定を結ぶ立命館大学のホッケー部を訪ね、vol.4では同校ホッケー部男女チームの両監督に、今回のvol.5ではホッケーに打ち込む選手たちにホッケーの魅力を聞きました。


立命館大学ホッケー部
立命館大学ホッケー部


立命館大学ホッケー部は男女ともに強豪校として知られ、2005年度の全日本学生ホッケー選手権大会では史上2校目となるアベック優勝を成し遂げています。その強さの秘訣はどこにあるのかを探るべく、男子部主将の畑野修平さん、副主将の近藤辰徳さん、池田瑞さん、女子部主将の紙本みゆきさん、浦田果菜さん、マネージャーの杉町祥子さんに話を聞きました。


——小中学生からホッケーをはじめた皆さんですが、なぜ立命館大学のホッケー部に入部を決めたのでしょうか?


畑野 大学でやるからには日本一を目指したいと思っていました。強豪校の立命館なら実現できそうだと感じたのが大きな理由です。


近藤 僕はちょうど進学前に新しいホッケー場ができるという話を聞いたのも大きな理由です。


池田 僕も2人と同じ理由ですね。強豪チームに入部することで自分の目標が達成できると感じ選びました。


紙本 私は、中高までの部活とカラーが全然違うと感じたのが一番の理由です。立命館は選手主導で、そういった環境で自分を試したかったということもありますね。


浦田 立命館は自由な校風が魅力で、キャンパスライフを楽しめる印象があったのが入部の決め手となりました。


杉町 私は立命館高校で選手としてホッケーをやっていて、そのまま内部進学をしました。当初はホッケー部には入部していませんでしたが高校時代の仲間に誘われ、ホッケーが好きという思いもありマネージャーになることに決めました。高校生の時に全然勝てなかったので、マネージャーとして支える側になりチームとして勝ちたいと思ったんです。

立命館大学ホッケー部

——入部してみて実感した立命館大学ホッケー部の魅力を教えてください。


近藤 これ以上ない環境でホッケーができることと入部してくる選手もレベルが高く切磋琢磨しながら成長できるところです。


池田 素敵な監督に出逢えたことも大きいです。僕たちの大先輩ということもあり、ホッケーについてものすごく詳しいので他チームや自分たちのチームについて時間を割いて分析していただいています。それを僕たちにミーティングで伝えてくれ、個人やチームとして意識しながらプレーすることでレベルアップに繋がっています。食事にも誘ってくださるのもうれしいです。


浦田 女子は、チーム運営を学生主体でやっているということが他校との大きな違いだと思います。平日はスタッフが来られないので、学生だけでメニューを決めて練習しています。休日にスタッフへ報告することでコミュニケーションをとっています。

立命館大学ホッケー部

——1週間の練習スケジュールを教えてください。


畑野 男子は、水曜以外の平日は毎日16時半から19時半までが練習時間です。基本的なメニューとしては、ウオーミングアップ後にシュート練習、対人、ゲーム、セットプレーという流れです。フィールドでの練習に加え、火曜は朝練もしています。学食が100円朝食を提供しているので、部員全員でコミュニケーションを取りながら朝ごはんを食べます。その後午前9時からウエイトトレーニングをしています。木曜は基本練習の前にウエイトトレーニングです。土日は、午前2時間、午後2時間半の練習メニューをこなします。授業以外は練習漬けの日々なのでなかなかハードですね。


紙本 女子は、月曜以外の平日は毎日16時半から19時半までが練習時間です。火曜にウエイトトレーニングをしています。基本的な練習メニューは、ウオーミングアップ後、サッカーや鬼ごっこをしながら体を動かした後ボールを触り、ゲーム、最後にペナルティコーナーの練習で終了です。授業で遅れてくる部員もいるので、ゲームは人数が揃ってから始めます。土日は、朝8時半から15時までが基本の練習時間です。高校時代よりも練習時間は長いかもしれません。

立命館大学に受け継がれるさまざまな伝統

立命館大学ホッケー部の円陣

——男子部では立命館大学ならではの伝統があるそうですね。


畑野 円陣が特殊ですね。普通きれいに輪をつくると思うのですが、僕らはぐちゃぐちゃに乗っかっていくんです。基本的に一回生が地べたにいて、上から覆い被さっていきます。


近藤 コーンを真ん中に置き、指名された人が試合の目標を言ってみんなで輪を囲み代表者の真似をするという「マツケンさん」というウオーミングアップもあります。「マツケンさん」というのは、昔いた先輩の名前のようです(笑)。


池田 試合が始まった時にベンチにいる1回生が「行ったれ〜」(「行け!」の意味)と声をかけて、それを復唱するというのも伝統ですね。その他にもチーム内の戦術や決まりごとも多いことも特徴で、入部当初は覚えるのにとても苦労しました。例えばコートのラインをAと呼ぶなど立命館独自の呼び方があります。球回しにも名称が付いています。


——女子部では試合前に選手に必ずかける言葉があると伺いました。


杉町 2011年に就任した牧本コーチが好きな言葉で、「ENJOY AND PLAY HARD」というスローガンがあります。つまり、勝つだけではなく楽しまないと意味がないということなのですが、楽しみながら勝つことを大事にしています。

優勝して、選手とみんなで笑って終わりたい

——今までで記憶に残った練習や試合について教えてください。


畑野 昨年のインカレでの初戦敗退です。実は夏の全国大会で優勝していたので周りからも優勝候補と言われていたのですが、初戦敗退という結果に終わってしまいました。今までで一番悔しい負け方でした。


池田 今年の王座決定戦での優勝です。最上級生となり下級生や新入部員をまとめながら厳しい練習を重ねていたのですが、大会前に大阪を震源とした大きな地震があったためこのグラウンドを使うことができなくなりました。自宅待機期間も長く、1週間も練習ができない中での試合だったのですが、チーム一丸となって成果を全て出し切った試合ができたので本当にうれしかったです。


近藤 昨年春リーグでの決勝戦、天理大学との試合ですね。天理大学とはいつも僅差で勝ち負けを繰り返しているライバルですが、その試合では6-0という圧倒的な勝ち方ができたんです。今振り返ると、その年の初めから優勝に向けて何度もミーティングを重ね、気合の入れ方が例年以上だったように思います。その結果が自分たちの理想としている堅守速攻のホッケーに繋がりました。

立命館大学ホッケー部
立命館大学ホッケー部

紙本 昨年のインカレで優勝できたことです。準決勝で山梨学院大学、決勝で天理大学と戦ったのですが、1ヶ月前の公式戦ではどちらも勝つことのできない相手でした。負けたからこそ、インカレに向けて全員が気持ちを新たに体制を立て直し試合に臨みました。


浦田 当時の山梨学院大学は日本代表選手を数名輩出していて、一人ひとりのレベルが非常に高いチームでした。それまでの試合で負けて、力の差を見せつけられたものの、インカレで勝つことができたことはとても印象に残っています。


——最後に、大学スポーツにかける想いを教えてください。


紙本 集まっているメンバーは本当にホッケーが好きで、日本一になりたいという想いがあるのでチームの士気やモチベーションが全然違います。学生最後ということもあるので、ここで絶対に勝ち切りたいという思いがすごく強いですね。私は大学生活でホッケーを終わりにしようと考えているんです。ずっとホッケーしかしてきていないので、ホッケーで培ったものを違うフィールドで生かしたいという想いもあります。


浦田 学生最後というのが、私も本当に強いですね。4年間でいい結果を残して悔いが残らないようにしたいという想いが一番です。大学生活で一番長い時間を過ごすのがチームメンバーです。そのチームで勝てたときや優勝できた時は本当にうれしいです。


杉町 高校と大学のマネージャーではやることが全然違います。普段は大会運営や事務的なことが多く、特殊ですね。大学で部活をしているということは珍しいと思うのですが、チームが日本一を目指して頑張っていることを私は一番身近にいて知っているので、優勝してみんなで笑って終わりたいという想いが強いです。頑張ってきたチームで一丸となって勝てたときが本当にうれしいので。


4年間の大学生活において、もっとも長い時間を過ごす存在がホッケー部の仲間たち。彼らの中には大学でホッケーを終わりにしようと決めている選手も少なくありません。だからこそ、一つひとつの勝利の喜びには感慨深いものがあるのです。そんな有終の美にかける思いを知ったうえで、大学スポーツの観戦を楽しんでみてください。

立命館大学ホッケー部の練習

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Text:Kaori Takayama
Photo:Masuhiro Machida
Edit:Shota Kato