スポーツと言われて思い浮かべるものは、部活やスポ根アニメなど、「学生時代の青春」を映し出すものが多いかもしれない。しかし、仕事に、遊び、恋愛と、毎日を生き生きと過ごす人たちの日常を覗いてみると、そこには、大人の日常に寄り添うスポーツの姿があった。“スポーツは、大人になった今だからこそ楽しい!”これを検証すべく、スポーツ好きが集まると噂の、ASICS社員のスポーツライフに迫っていく。

ASICSがつくる市民のためのマラソン文化

ランニングがブームと言われて久しい昨今、その影の立役者として業界をサポートしているのがスポーツ用品メーカー各社。毎年、行政やスポーツ用品メーカー主催によるマラソン大会やイベントが全国各地で開催され、ASICSは国内外でのイベントにスポンサーとして参加。

そうしたイベントの運営・サポートを担当するのが、イベントマーケティングチーム。その数は年間100を超え、そのなかでも小林優史は、大規模なマラソンイベントから、市民ランナー向けの数十人規模のイベントまで多岐にわたるランニングイベントに携わっている。

小林にとってもっとも代表的な企画が「東京マラソン」。参加記念Tシャツをはじめ、フィニッシャータオルや手荷物預けなしランナーに配られるポンチョ、スタッフが着用するウエアやキャップといったグッズまわりの企画や製作、調整を担当。「とくにTシャツはランナーが楽しみにしているアイテムのひとつなのでミスは許されません。発注から納品まで気が抜けない仕事ではありますが、大会当日にランナーのみなさんが受け取って喜んでいるところを見るとうれしさもひとしおですね」と話すように、ランニング文化の発展とランナーとのコミュニケーションに日々奔走している。

トレイルラン
SKYLINE TRAIL SUGADAIRA

そんな小林自身も大のランニング好きで、小学生のころにランニングの楽しさに気づき、その魅力を広く伝えようと大学院修了後にASICSに入社。

「学生のころからASICSが好きでした。ランニングそのものも好きだったんですが、マニアといわれるくらいシューズにも興味があって、カタログを隅々まで読み込んでいたほど。見た目のデザインを重視したシューズは多々ありますが、ASICSのいいところはデザインだけではなく、高い機能性を兼ね備えているということ。シューズを構成する各々のパーツにはちゃんと意味があって、計算されて出来上がっています。いつか自分も仕事として携われたらいいなと思っていました」

社会人になっても週に5〜6日のトレーニングは欠かさず、走れない日も仕事の都合がほとんどで、「できるなら毎日でも走りたい」と話す小林。自宅の周辺を走ったり、休日には競技場でインターバルトレーニングをしたりと、毎回1、2時間、およそ20kmの距離を走り込んでいるという。なぜそこまで走ることにストイックなのか、その答えはシンプルなものだった。

「純粋に走ることが楽しいんです。さらに、目標を達成できると気持ちがいいですし、達成するためにトレーニングを積み重ねていくことも好きですね。やった分だけ結果が出ますから」

高い機能性を兼ね備えているASICSシューズ

トレイルランとの出会いが「走る」ことをさらに楽しくさせる

そんなランニング一筋の小林が2年前に出会ったのが、未舗装の山道を走るトレイルラン。数あるトレイルランの大会のなかでも、もっとも過酷だと言われているのが日本山岳耐久レース、通称「ハセツネ」で、ハセツネとの出会いに小林は衝撃を受けたという。

「仕事の関係で間近で見る機会があったんですが驚きました。トップ選手もそうでない選手も、お互いにみんな距離が近いんです。マラソン大会は規模が大きいことや、参加する目的もランナーによってさまざまなので、個人競技そのものですが、トレイルランはどこかチーム感がある。自分自身と戦うロードに対して、トレイルランは大自然を相手にするという、ランナー共通の目標があるからでしょうか。もちろんトレイルランにも個々の目標はありますが、完走を目指すためにみんなが仲間意識を持っているという感じで、いままでにない感覚でしたね」

SKYLINE TRAIL SUGADAIRA
SKYLINE TRAIL SUGADAIRAにて。12th SKYLINE TRAIL SUGADAIRAのエントリーは2019年5月10日まで!

ランニングの新しい可能性を感じた小林はランナーとしてハセツネに参加。しかし、途中棄権してしまう。ランナーとして十分な実力を持つ人物でも走破できないハセツネの過酷さを体感するとともに、未知なる世界にさらに心惹かれていく。

「正直なところ甘く見ていました。24時間のうちに71.5kmを走り抜けるというものですが、コースは悪路と激しい起伏ばかりで、給水用の水は自分で運ばなくてはいけない。40kmの地点に1ヵ所だけ給水所が設けられているんですが、ふだんロードのマラソン大会に参加している身からすると全然理解できない。40kmというとフルマラソンとほぼ変わらないですから(笑)。翌年も挑んだんですが、今度は序盤で脱水症状になってしまい、また途中棄権。悔しかったですね」

GECKO XT
小林が愛用する「GECKO XT」。水を積むためのバックパックには走りながらでも給水できるように、専用のホルダーと給水チューブを通すためのホールが開いている。

「来年こそは」とリベンジを誓う小林はトレーニングに余念がない。トレーニングから大会本番まで小林の相棒となるシューズは「GECKO XT」。オフロードに対応するよう、ソールのグリップ力が高いことが特長で、ベロの上部のポケットにシューレースを収納できるのも、トレイルラン専用シューズならでは。

ランニング用のシューズを2ヵ月で履きつぶしては、また新しいシューズで走り続ける小林の人生の目標は「生涯ランナー」であること。「走ることで毎日が楽しくなりますし、仕事も前向きに取り組むことができます。遊びであり、趣味であり、人生そのもの。体力が続く限り走っていたいですね」。

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TEXT : Keisuke Tajiri
PHOTO::Yusuke Hayashi