スポーツと言われて思い浮かべるものは、部活やスポ根アニメなど、「学生時代の青春」を映し出すものが多いかもしれない。しかし、仕事に、遊び、恋愛と、毎日を生き生きと過ごす人たちの日常を覗いてみると、そこには、大人の日常に寄り添うスポーツの姿があった。“スポーツは、大人になった今だからこそ楽しい!”これを検証すべく、スポーツ好きが集まると噂の、ASICS社員のスポーツライフに迫っていく。

ゆるく始めたランニングもいつしか日常に

社会人のいまからランニングを始めるのはちょっと遅いかも、と感じている人にとって考え方が変わるチャンスになるかもしれない。同じようにランニング経験ゼロだった、とあるアシックス社員はふとしたきっかけで、いまではほぼ毎日走るようになり、さらにはフルマラソンの大会にまで出場するようになったのだという。


その人物はフットウェア統括部のデザイナー上田隆之。グローバル展開のインドアスポーツ/パフォーマンスランニングシューズのデザインをそれぞれ6年間手がけ、現在はスポーツとライフスタイルを繋ぐカテゴリーのシューズデザインを行っている。


上田がランニングをするようになったきっかけは、アメリカに赴任していたときのこと。昼休みともなると現地のスタッフが仲間を誘いながらランニングに出向くのだが、彼らにとってそれは習慣であり日常だったという。その姿をみてクールで楽しそうなライフスタイルだと、日本に帰国してから仲間を集めて走り始めるように。


「最初はゆるく楽しくという思いでコミュニティを作りました。むしろ本気で取り組むことはカッコ悪いとさえ思っていたこともありました。しかしいざ走り始めるとチャレンジするコトの面白さにハマり、それを如何に楽しいモノにするかと考え始めました。」

フットウェア統括部のデザイナー上田隆之

そうして走り始めて1年が経ったころ、上田はハーフマラソンに挑戦し、そのあとすぐにフルマラソンの大会にも出場。もともとフルマラソンは高い壁だと想定していたが、毎日走ることが日課になっていた上田にとって楽しんで走れた42.195kmであった。


「これまで健康のためや身体をつくるために走っていただけでしたが、しっかり実力がついていたんだと驚きでした。そこからさらに走る面白さにのめり込んでいって、設定した目標に対して、どんな練習メニューにしようかとか、どんなペースで走ろうとか、仲間と相談しながら壁を一つひとつ超えていくのが楽しくなるようになりました」

フットウェア統括部のデザイナー上田隆之

ランニングを楽しみ、その魅力を伝えていく

そこまで上田を惹きつけるランニングの魅力はどこにあるのだろうか。


「簡単に話すのは難しいですが、自分と向き合えることでしょうか。辛いと感じても自分の頑張りでそれを乗り越えれたり、走った分だけスキルアップを実感できるといったところだと思います。考えごとがあるときでも呼吸や足の運びのリズムに集中して走ることで頭の中や気持ちがリセットされたりもしますね。そうした行為が仕事や生活においていい影響を及ぼしてくれるんです」


そう上田が話すように、心身が整い普段の生活の過ごし方にもメリハリが生まれる。ルーティーンとして毎日仕事の昼休みや帰宅時に5〜10kmほど走っているという。昼休みに走ると疲れて午後から集中できなくなるように思うかもしれないが、「むしろその逆で、走ると雑念がなくなっていって、走り終わったときにはスッキリしてまた集中力を高く保てるようになるんです」と上田。ここまで楽しみながら継続的にランニングに取り組み続けられたのも、ともに走る仲間の存在が大きかったと話す。


「実はかつて、ひとりで走っていたこともあったんですが、習慣にならなくて止めたことがありました。ですが仲間と一緒に楽しめる付加価値を付けて走ったり、SNSで記録や情報をシェアし合いコミュニケーションをとりながら走ることで、走るコトが自分の目標だけでなく、仲間としての目標となり、みんなが一体となって次の世界へと向かっていく楽しさを感じられるようになったんです。そうした自分たちが走る背景のビジョンや楽しみ方が伝わったのか、いまではグループのメンバーも30〜40人まで大きくなりました。今はこれからランニングを始める仲間へ、自分のようにゼロからでも走ってみよう、レースに出てみようと思って貰えるように、コミュニティとして走ることの楽しさを伝えていくことに魅力を感じています。偉そうな言い方かもしれませんが、これからもランニングカルチャーをもデザインしていくデザイナーでありたいと思いますね」

スポーツのある生活 vol.6

fuzeX Rush Adapt(左上)
GEL-NIMBUS 20 PLATINUM(右中)
GELFEATHER®GLIDE 4(左中)
HyperGEL-KENZEN(右下)


TEXT: Keisuke Tajiri
PHOTO: Tomonori Hamada