スポーツと言われて思い浮かべるものは、部活やスポ根アニメなど、「学生時代の青春」を映し出すものが多いかもしれない。しかし、仕事に、遊び、恋愛と、毎日を生き生きと過ごす人たちの日常を覗いてみると、そこには、大人の日常に寄り添うスポーツの姿があった。“スポーツは、大人になった今だからこそ楽しい!”これを検証すべく、スポーツ好きが集まると噂の、ASICS社員のスポーツライフに迫っていく。

スポーツに携わる夢を諦めたくないから選んだ、支える側という仕事

ASICSではスポーツをカテゴリ別に分類してプロダクトの開発を行なっている。さまざまな競技のなかでも、バスケットボール、バレーボール、テニスなど、いわゆるコート系のスポーツシューズを開発しているのがFWコート開発チームだ。そんなプレーヤーたちの足元を支えるセクションにおいて一際目立つ社員がいる。2018年4月入社の新人、ウズベキスタン出身のナスレテディノブ・イザテベクである。

イザテベクは2013年に母国ウズベキスタンから日本へ留学。それが初めての海外渡航となったという。大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学に入学すると、卒業後はASICSに入社。なぜスポーツメーカー、そしてASICSで働くことを志したのだろうか。その理由を流暢な日本語で話してくれた。


「大学時代はバスケサークルに参加していて、日本で初めて袖を通したバスケのジャージーがASICSのものでした。もともとスポーツが好きで、水泳、空手、レスリングなど、いろいろなスポーツをやってきたなかで自分に一番フィットしたのがバスケだったから、プロ選手になりたいと思っていたのですが、それは難しくて。でもスポーツに携わる夢は諦めたくないということで、スポーツを支える立場になろうと考えました。ASICSは自分にとって日本を知るきっかけにもなったメーカーなので、そのメンバーになれたことがすごく嬉しいです」


ASICSに入社後はFWコート開発チームの一員として、各カテゴリのシューズを研究する毎日を送っている。ひとつひとつのシューズを分解して、それぞれの構造、素材、機能などを細かくチェック。ひたすら各モデルと向き合う日々は、イザテベクにかけがえのない仕事のモチベーションをもたらしたのだった。


「コートチームに配属されて、自分はすごく恵まれているなと実感しています。シューズを研究するのは純粋に楽しいですし、自ら履いてプレーすることによってシューズの特徴を理解できるんです。もし僕が将来シューズを開発することになったら、自分自身が履いてテストしながらプロダクト化できるかもしれない。それってスポーツを愛する僕にとっては本当に嬉しいことです。僕はバスケとASICSが大好きだから、愛を込めて開発していきたい。好きなものに携われているおかげで、特別なモチベーションを得られています」

GEL TRIFORCEの次モデル開発をめざして

スポーツシューズ開発のイロハを学ぶイザテベクにとって、リフレッシュ方法はやはりバスケットボールに他ならない。ASICS社内のバスケチームに所属し、センターのレギュラープレーヤーとして公式戦に出場。今はリーグ戦を戦っている最中にある。

イザテベク

「ASICSのチーム練習は毎週土曜日にやっています。その他に毎週水曜日が会社のノー残業デーなので、社内にあるアトリウムという体育館のような広場で同僚や先輩ともバスケをしていますね。アトリウムがあることには入社して驚きました。ここでは卓球もできますし、バスケコートの周りにはテーブルがあるので、打ち合わせも食事もできるんです」


大好きなバスケのために就業後と休日にはジムに通ってトレーニング。イザテベクが務めるセンターというポジションは、屈強で長身の選手とマッチアップする。激しいボディコンタクトに競り負けないためにはフィジカルを鍛えなければいけない。そんな公私ともにスポーツ漬けの生活を送ることが幸せだとイザテベクは語る。


「“いつもスポーツに囲まれて苦しくないの?”と、みんなに言われますが、まったく問題ありません。だって、スポーツは僕の人生の一部になっていますから。多少疲れたりはしますが、そこはマネジメントすればOKです。例えば、土曜日には練習があるから金曜日は同期や友達と飲みに行かないようにしています。本当はビールが大好きだから行きたいんですけどね(笑)。仕事で疲れてもバスケの練習やジムでトレーニングすれば、体を動かすことがリフレッシュになりますし」


スポーツをしていると、プレーやトレーニングの動きがきっかけで商品開発に活かされる何かが見つかることもあると先輩が教えてくれた。入社1年目のイザテベクはまだそれが何なのかはわからないが、ASICSの製品に触れ続けるなかで、商品開発担当としての大きな目標が見つかった。


「いつかは日本だけでなくヨーロッパやアメリカなどで人気になるバッシュを開発したいです。自分が開発したものが海外で売れたらすごく感動するでしょうね。近い将来的はGEL TRIFORCEの次のモデルを開発したい。いま僕が履いているのはGEL TRIFORCE 3なのですが、これをずっと履いてプレーする経験が商品開発に活かせたらと考えています。別部門になってしまいますが、ランニングシューズのGEL-QUANTUM 360は単純にデザインが大好きなので、いつか開発に関わってみたいですね」


イザテベクのGEL TRIFORCE 3には彼の手書きで「STRIVING FOR GREATNESS」というメッセージが刻まれている。強くあり続けるためには努力が必要不可欠――― スポーツを探求し続けることが、きっと彼自身の未来を切り拓いていく。

GEL TRIFORCE 3とGEL-QUANTUM 360

GEL TRIFORCE 3(左)は現時点でイザテベクにとって最高のバスケットボールシューズ。安定性と剛性に特化した、フォワード、センターの選手におすすめのモデルだ。GEL-QUANTUM 360(右)は360度ゲルが搭載されたルックスがインパクト大。タウンユースの足元を彩るだけでなく、ランニングでは優れた衝撃緩衝性を発揮する。



Edit:Shota Kato
Photo:Takuya Nagamine