世界陸上2019ドーハのオフィシャルウエアのコンセプトをご存知だろうか。朝日が昇る力強さをイメージした鮮やかな「サンライズレッド」カラーをベースに、開催地の象徴でもある果てしなく広がる大地に見立てたグラフィック。灼熱の地で繰り広げられる選手たちに、力強いサンライズレッドのエールが送れるよう、応援アイテムも同じ「サンライズレッド」カラーのアイテムを展開している。

そんなサンライズレッドに身をつつんでドーハにおりたった、西本武司さん(@EKIDEN_News)による、世界陸上レポート第四弾。

「EkidenNews」さんなのに、なぜ世界陸上なのか。よく聞かれるという質問とあわせて、人生まで変えてしまった応援の魅力を語ってもらった。

-----------------

EKIDEN Newsが世界陸上に手を出したのは、2015年の世界陸上北京。そのときの男子長距離日本代表が、箱根駅伝ファンにとって、豪華すぎてヤバかったのです。

5000m 大迫傑 村山紘太
10000m 鎧坂哲哉 設楽悠太 村山謙太
マラソン 今井正人 藤原正和 前田和浩

ほぼ同時期に箱根駅伝で活躍した次世代スター選手たちが、一斉に世界陸上に登場することになったのです。マラソン中継はスタートからゴールまでのすべてが放送されますが、長距離トラック種目はレースの途中で、CMが入ったり、別の種目に放送が切り替わりがち。

「日本代表選手のトラックのすべてがみたい!」

そう考えたぼくは、箱根駅伝の延長のような気分で世界陸上北京の全日程のチケットを購入し、Airbnbで一軒家を借り、ついでに会社も辞めて北京に飛びました。

箱根ランナーたちの成長を観たいがために、訪れた北京であったのですが、世界陸上のような世界最高峰の選手が集まる場所では

「より速く走ること(歩くこと)」
「より高く跳ぶこと」
「より遠くに投げること」

と、いたってシンプルなことが、自分の予想をはるかにうわまわるレベルで行われていて、その競技や選手にさほど詳しくなくて、それが自国の選手でなくても素直に「すごい!」と楽しめるものなのです。

そこで「すごいなぁ」と思った競技や選手を、「勝手に身内気分」で、定点観測していくうちにずぶずぶとEKIDEN Newsの守備範囲を大きく超えて気づいたら、ドーハに来てたというわけです(笑)

応援こそが人生だ
北京世界陸上ではじめて知って、それ以来、定点観測してたシファン・ハッサン(オランダ)がドーハでは1500mと10000mで2冠。そして、新谷仁美選手と同じタイミングで動きはじめた瞬間に「このふたりの勝負勘」に震えたりする

「勝手に身内気分で応援」というテーマで、世界陸上やダイヤモンドリーグといった国際大会に通っているうちに気づいたのは、「応援には日本代表ウェア」が欠かせないということ。

とくに日本人は元来の押しの弱さもあって埋もれがち。

いっぽうで同じアジア系でも、中国人たちは、そのおおらかな国民性もあって熱狂的に自国の選手を応援します。

応援こそが人生だ
猛烈な蒸し暑さの中で行われた世界陸上ドーハ男子競歩50kmで、深夜1時をまわっていても身を乗り出して熱烈応援を続ける中国ファン

2国間の争いとなるサッカーやラクビーとは違い、陸上競技はスタジアムに集まる国数が桁違いに多い。お国柄がとてもでるのです。

応援こそが人生だ
カタールの国民的ヒーロー、走り高跳びのバルシムのロゴが入ったキャップをかぶり応援するカタールのみなさん。
サッカースタイルの応援で延々と盛り上がり続けるエチオピアをはじめとしたアフリカ系のみなさん。
ドイツ選手が跳躍するたびに宙を舞う仕草をしながら国旗を広げるドイツ棒高跳びマニア

これはぼくの勝手な解釈ですが、そんな押しが弱めな日本人たちが「着ているだけで」応援できるツールが「サンライズレッド」の日本代表ウェアだと思うのです。同じ「赤」でも、どの国の「赤」とも違うから、試合会場において、とても視認性が高いのです。

箱根駅伝を走った選手によると、「沿道がスクールカラーで埋まった場所は自分だけのものだ!」と、がぜんやる気が沸き起こるんだそうです。

深夜に行われたドーハ世界陸上の競歩でも、サンライズレッドは埋もれませんよ。

応援こそが人生だ

スタジアムの中でも、いい意味で浮いてます。

男子リレーチームのリザーブメンバーたちが、選手と同じシングレットを着て「一緒に戦ってるぞ!」というメッセージをこめて、マイルリレーを応援している姿はグッとくるものがありました。

応援こそが人生だ

と、本来ならばここでサンライズレッドの日本代表Tシャツやジャケットを紹介してさらりと終わるのですが、EKIDEN Newsの間でも「これはすぐれもの」と一押ししたいにもかかわらず一般的にはあまり知られていない「非常に惜しい」日本代表グッズがあります。

これまでの写真もさりげなく写り込んでいたこれ。

「日本代表 3WAY ポーチ」です。

いや、ピンと来てないでしょ。わかる。ぼくも最初はそうだった。

サイトでも商品紹介がほとんどなされてなく埋もれてしまったこのシンプルなポーチ。これが応援にはなくてはならないグッズなのです。

応援こそが人生だ
もちろん3WAY ポーチはドーハにも帯同です

まずは3Wayの由来から。
最初「フロント、ミドル、バックと、ポケットが3つあるから3wayなんでしょ」と思っていたらそうじゃない。ショルダーバック、ウエストポーチに加え、スリングバックにもなる。用途が三通りであるという意味なのだそうです。

応援こそが人生だ
「ipadが入るように」企画されたサイズ
それぞれのポケットにすぐに取り出せる充電器やケーブル、財布やパスポートといった貴重品に振り分けてつかえます。

そして、驚くべきはその容量。

100-400mmという超望遠レンズがすっぽり入ります。
とうぜん、500mlのペットボトルも余裕です。

世界陸上や駅伝の観戦はなるべく手ぶらですごしたい。そして、移動で走ったりするから、動きの邪魔にならないよう上着やズボンのポケットにはなるべくものをいれたくない。しかも丈夫で鞄メーカーやアウトドアブランドのバックほど値も貼らない。

そして日本代表選手とコーチがもっているものと同じという、なんとなくのステータス感(笑)

(飛行機での機内持ち込みでは、ほとんどの選手がこれをぶらさげている)

この3WAY ポーチのことをアシックスのみなさんも、あまりにもプッシュしなさすぎだったので、陸上競技を愛するみなさんにアシックスのかわりにプッシュしておくことにいたしました。

ロンドン世界陸上からサイズはかわっていないのですが、こっそりマイナーチェンジをしてます。素材の質がさらに丈夫になったこと、そしてファスナーがかなりよくなって、開閉がよりスムーズになったこともアシックスのかわりにお伝えしておきますね(笑)

これから2020年のオリンピックまで日本全国で陸上競技の「プレオリンピック」大会が行われます。「サンライズレッド」を着込み、「3WAYポーチ」をぶらさげたみなさんと会場でお会いできることを楽しみにしています。

応援こそが人生だ

選手も招集所からグラウンドにたって客席を見渡したとき、たくさんの「サンライズレッド」が目に入ってくれば、「これだけたくさんの味方がいる」と、安心するはずなんです。

2020年はそういう年になるといいなあ。

PHOTO& TEXT Takeshi Nishimoto@EKIDEN_News
福岡県出身、渋谷のラジオ制作部長。メタボ対策ではじめたジョギングがきっかけで箱根駅伝と陸上にハマってしまう。フルマラソン 3時間12分。

もっと楽しむ!世界陸上関連アイテムはこちら