きりりと澄んだ空気の中、各地でランニングイベントやマラソン大会が開かれて、ランニングシーズン真っ盛り。ランナーにとって走りやすいこの季節ですが、肌にとっては「乾燥」という最大の敵に直面する季節でもあります。しかも皮脂が肌の酸化を加速するし、走った後はすぐに洗い流してお手入れしなくては! とはいえ、イベントやマラソン大会のあとは、家に帰るまでシャワーを浴びることができないということもしばしば。そこで、今回は「走った直後に手軽にできるレスキューケア」を、資生堂のヘア&メイクアップアーティストの石田美紀さんに教えていただきます。

その1「汚れと汗をティッシュオフする」

「私も日常の習慣としてランニングを続けています。実は今度、初めてフルマラソンに挑戦することになりました! マラソン大会やランニングイベントの時って、普段より長い距離を走ることが多いですよね。距離が長い分、外気にさらされる時間も長くなるし、肌の上には汗はもちろん、街中を走っていると汚れもかなり付着します。だけど、家の近所を走るいつものジョギングのように、走り終わったあとすぐにシャワーを浴びるというわけにもいかない。本当は顔だけでも洗い流せると一番良いのですが、洗えなくても走り終わったらまずは汗と汚れを落とすことが大事です。拭き取りタイプのメイク落としを使うのがオススメですが、メイクを落としたくないという人は、ティッシュで抑えるようにしてメイクの上から汗や汚れを落としましょう。もちろんタオルでもよいのですが、ティッシュだと汗と汚れを吸着しやすいんです」

その2「化粧水スプレーで保湿する」

「汗をかいたあとって、体はもちろんですが肌にも潤いがなくなっているように感じませんか? ですから汗と汚れをオフしたら、しっかり保湿を。スプレータイプの化粧水(a)なら走った直後も手軽に使えます。保湿と同時に白粉効果のあるミスト(b)なら、肌をパッと明るくしてきれいに見せてくれるので、メイクのお直し効果もあるし、ファンデーションをオフした人にもおすすめです。肌にスプレーしたら手のひらで包み込むようにして化粧水をなじませます。これからは空気がどんどん乾燥しますし、その中を走るわけですから、走り終わったら喉を潤すだけでなく、肌にも潤いを与えてあげてください」

化粧水スプレーで保湿する

その3「集中ケアして水分を閉じめる」

「長い時間、屋外の冷たく乾燥した空気にさらされると、普段は気にならない部分の乾燥が気になったりします。たとえば唇のまわり。ランニングの後って唇も乾きますがその周りの肌もカサカサになってしまいませんか? あるいは鼻の周りや頬など、人によって気になる部分は異なると思いますが、カサカサをそのままにしておくと荒れがひどくなりますし、見た目も気になります。化粧上地(c)は、ファンデーションの上からも使えて便利。肌に潤いを与え、つややかに見せてくれます。また、オイル(d)は持っていると便利です。カサカサが気になる部分を中心に、顔全体になじませます。肌の表面を油分でラップして、潤いを閉じ込めましょう。全身使えるオイルだと髪にも使えるので、便利ですよ」

ナルホド、直後のケアが大事なんですね! ランニング中って汗をかいているので乾燥が気にならない!?かもしれませんが、思っている以上に肌は乾燥しているもの。走り終わったあとは、体にも肌にもとにかく水分補給を心がけ、マラソン大会やランニングイベントの時には、水のボトルと一緒に、レスキューのためのスキンケアアイテムも忘れずに。次回は、家に帰った後のスペシャルケアをご紹介します。

集中ケアして水分を閉じめる

左から、PLAYLIST「スキンテクスチャーヴェール モイスチャーライジング T(18g)」¥ 3,780[c] 、アネッサ「パーフェトさらさらミスト(38ml)」¥1,620[b]、dプログラム「デーリペアミスト(80ml)」¥2,052[a]、PLAYLIST「マルチトリートメントオイル(95ml)」¥ 4,320[d]

後編「走った日のスペシャルケア」はこちら

TEXT : Sachiko Kawase PHOTO : Fumiko Nakayama