せっかく走るなら、走力アップやダイエットにも良い影響のある時間帯に走りたい!と思うランナーは多いはず。朝か夜、どっちがいいのだろう?というのはランナーであれば一度は疑問に感じたことがあるのでは。今回はライターがASICS RUN TOKYO MARUNOUCHIのグループランイベント※に参加し、朝ラン・夜ランのメリットと続けるコツをコーチに聞いてみました。

※新型コロナウィルス感染予防対策として、現在はイベント開催を見送っております。

<目次>

■教えてくれた人

小谷浩さん

小谷浩さん

アシックスランニングクラブコーチ。国内外のマラソンや国際マラソンなど多くのレースに出場した経験や、東京マラソンのペースセッターなど、豊富な経験を活かし、ビギナーから上級者までさまざまなレベルのランナーをサポートしている。

ちょっと早起きすれば気持ちの良い1日のはじまりに!朝ランイベントに参加してみた

初心者から参加できる朝ランイベントASICS RUN TOKYO MARUNOUCHIが主催する「MORNING RUN」。開始時間は7:30。フリーライターという職業柄、朝はそれほど早くなく早朝から朝ランなんて久しぶり。いつもよりも2時間ほど早く起きて自宅を出発。前日に荷物を用意しておけば、朝が弱くて起きられないなんて人も案外飛び出せてしまうものです。

ランステーションが併設されたASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI。ロッカールームで着替えて荷物を預けて、続々と集まった参加者の方々と一緒にストレッチからスタート。コーチ曰く、朝はまだ身体が目覚めていないので、“これから運動するんだ”ということを身体に知らせてあけることが大切なのだそう。ケガ対策にも繋がるため、イベントでは走る前には必ずみんなでストレッチ。どのようなストレッチをすれば良いかわからない人も、ここで教えてもらえれば、自分で走る時にも取り入れやすくてうれしいですね。

入念にストレッチをして、いざ朝の皇居へ。皇居といえば、東京のランナーの定番コース。周回するだけなので道に迷うこともなくて初めてでも走りやすい場所で、談笑しながらゆっくりランニングスタートです。

この日は、最近お父さんと走り始めたばかりという初参加の人から、東京マラソン当選をきっかけに通い始めて1年になるという人、第一回から参加しているという常連さんまでレベルはさまざま。さわやかな朝の風を感じながら、青くて広い空の下でのびのびと走ると、眠くてぼんやりしていた頭も次第にすっきり。空気をめいっぱい吸い込めば身体も起きてきた感じがします。

1周約5kmの道のりも、参加者のみなさんと話しているとあっという間。コーチがペースを合わせて走ってくれるからゆっくりでも大丈夫です。1周走り終えた後は、ランステーションに戻って、ストレッチで身体を再調整してイベントは終了。シャワーを浴びたらランニングウエアから仕事着に着替えた参加者のみなさんは仕事へ向かっていきました。

参加者の方によれば、夜は仕事が長引いたり、予定外の飲みの誘いがあったりと予定が変わりやすく、走る準備を持って仕事に行っても走らずに終わってしまうことがあるそうです。その点、朝ランは「起きられさえすれば、意外と習慣化がしやすい」という。また、「朝は眠くてついつい二度寝してしまうけど、ランイベントに予約すれば頑張って起きられる」という人も。思い切って起きて走ってよかった!と思えるイベント。頭も身体もすっきりして、充実した1日のスタートが切れるような爽快感を覚えました。

気分爽快、ダイエット効果も。朝にランニングをするメリット

朝ランイベントに参加して、すっかり朝ランの虜になりましたが、朝ランにはどのような効果があるのでしょうか。夜のランニングとの違いは?イベント終了後、小谷コーチにさらに詳しく聞いてみました。

――朝走ると気分もすっきりして、身体も軽くなったような感じがします。朝のランニングにはどんなメリットがあるのでしょうか?

朝は、寝起きで体内の血糖値が低く、身体が糖質よりも脂質を消費しやすい状態になっていると言われています。また、その脂肪の燃焼が走り終わったあともしばらく続くため、1日の脂肪燃焼スイッチが入りやすく、ダイエットの効果が高いとも言われています。ただ、1日だけ走ればすごい効果があるというわけではなく、継続することで徐々に体質に変化が現れ、結果が見えてくるようになるでしょう。

――1日の脂肪燃焼のきっかけになるのは良いですね。そのほか朝ランのメリットはありますか?

これからの暑い時期でも、朝は比較的気温が低く涼しい空気のなかで気持ちよく走ることができます。朝に走ることで身体が目覚めて、身体を動かすことで頭も働き、1日を気持ちよくスタートすることができるので、おすすめです。

朝ラン前のストレッチは入念に、ハイペースは避けて

朝起きてすぐ走ることは、身体への負担としてはどうなのでしょうか? 朝にランニングをする際に気を付けておきたいポイントや注意点を聞いてみました。

――朝ランをする際のポイントや注意点はありますか?

朝ランはダイエット向きといっても、空腹状態には注意が必要です。フルーツジュースや飴などを少し補給して、水分もしっかり摂ってから走りはじめましょう。また、目覚めたばかりの身体はまだ起きていません。ストレッチは入念に。朝は身体が動きにくく、無理をするとケガや故障につながることもあります。追い込むような練習をしたり速く走ったりするよりも、ゆったり気持ちよく走るのがおすすめです。朝食は走った後にとるのがおすすめです。時間がなければスムージーなども良いかもしれませんね。

せっかくの爽やかな朝ラン、明るいカラーのウエアやアイテムで気分を上げて楽しい1日のスタートにすると良いでしょう。

身体がよく動く、ぐっすり眠れる。夜ランニングのメリット

朝ランには、さまざまなメリットがあることはわかったものの、朝が弱いという人や、職場が遠くて朝はどうしても走る時間が取れないという人もいるはずです。そんな時は夜ラン。夜ランにはどんなメリットがあるのか、教えてもらいました。

――夜のランニングには、朝とは違うメリットがあると思います。どんな違いがあるのでしょうか。

夜は、1日動いた身体で走るため、朝に比べて身体がよく動くという大きなメリットがあります。また、出勤などの予定がある慌ただしい朝に比べて、時間にも余裕があるため、マイペースに走ることができます。日焼けが気になる人は紫外線の影響が少ないのもポイントではないでしょうか。また、真っ暗で景色が見えないと思いがちですが、皇居周辺のように夜景が綺麗なエリアを走れば、朝とはまた違った魅力があります。飲みに行く前に走りに行けば、罪悪感も少なく食事がいつもよりも美味しく感じると思います。

――走り終わって疲れたあとは、食事をとって寝るだけというのは良いですね。

夜走ることで、ほど良い疲労が残り、ぐっすり眠れることもメリットです。でも、できれば就寝の3時間前くらいには走り終えて、食事を摂ってお風呂に入り、ストレッチなどでリラックスしてから寝るようにすればさらに良いと思います。

夜のランニングは、視認性の高いウエアを着用して

――夜にランニングする時のポイントや注意点はありますか?

昼から何も食べないまま走り始めるよりも、朝ラン同様に少しエネルギー補給をしてから走ると良いでしょう。エネルギーゼリーなどがおすすめです。また、暗くて足もとが見えにくいので、足場の悪い場所は避けて、慣れたコースが良いでしょう。まだ走りはじめたばかりの人であれば、ナイトランイベントに参加してみるのもおすすめです。ただ、夜は車や自転車からランナーが見えにくく危険なところもあるので、ウエアやシューズなど身に付けるアイテムは視認性の高いものやリフレクター付きのものを選ぶようにしましょう。

光が当たると反射するリフレクター付きのウエアやシューズ(LITE-SHOWシリーズ)。

――夜ラン前もストレッチをした方が良いのでしょうか。

朝に比べて身体がよく動くとはいえ、ストレッチは走る前後にした方が良いですね。走る前は、ストレッチで可動域を広げることで大きい筋肉(肩甲骨や腿、お尻など)をうまく使えるようにします。ストレッチというと、脚しか伸ばさない人もいますが、ランニングは全身のスポーツです。全身を伸ばして全身運動へ導きましょう。

がんばりすぎず、続けることで習慣化しよう

朝・夜のランニング、それぞれ異なるメリットのあることがわかりましたが、大切なのは続けること。最後にランニングを習慣化するコツを教えてもらいました。

――朝でも夜でも、自分の生活に合わせやすい方で走れば良いのですね。

そうですね。朝と夜、それぞれにメリットがあります。朝ランは1日の良いスタートが切れておすすめですが、眠いのに無理してまで走っていては、長続きしません。ランニングは続けることが何よりも大切です。走るタイミングも大切ですが、距離もはじめのうちは無理せずに、徐々に延ばしていきましょう。ランニングを継続するためには、できれば週2回ほど走る曜日を決めておくと良いでしょう。ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHIでは、毎日のようにランニングイベントが行われているので、参加する曜日を決めておけば、仲間ができたり、コーチと相談しながら目標を決めたりすることができます。また、ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHIのランステーションでは、シューズやウエア、タオルのレンタルもあるので(有料)、仕事の前や後に手ぶらで走り出ることできます。

イベントやランステーションをうまく使って気持ちよく走ることを続けてみてくださいね。

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TEXT:Emma Nakajima

PHOTO:Madoka Akiyama