ハリウッドセレブやモデルを虜にする“暗闇ライブエクササイズ”

音楽が運動にもたらす効果とはどんなものなのか。「脳科学からみる運動と音楽の関係」と題した前編では、脳研究者である東京大学薬学部教授・池谷裕二さんに脳科学的見地から運動と音楽の関係についてお話しを伺いました。池谷さんによると、運動時の音楽リスニングは、自分が求めるリズムのものをチョイスしたほうが効果的。また、好きな曲を聴くことで喜びの感情を生むドーパミンが放出され、本来であれば辛いランニングや腕立て伏せを楽に行うことができる、ということがわかりました。


上記のことを踏まえたうえで、今回は音楽を積極的に取り入れた話題のバイクエクササイズ・FEELCYCLEを紹介します。

FEELCYCLE

FEELCYCLEとはニューヨーク発祥のバイクエクササイズです。ハリウッドセレブやモデル、ニューヨーカーたちが虜になってアメリカ全土に普及すると、現在世界中で爆発的な人気を誇り、日本では六本木本店をはじめ26店舗を展開、体験人数11万人規模に及ぶ勢いに。


気になるその内容といえば、暗闇の中でインストラクターが、ペダルのリズムや負荷、運動内容(立ち漕ぎ、ダンベル、前後左右運動など)を指示し、大音量の音楽に合わせて全身をくまなく鍛えるというもの。ペダルの回転数や負荷の調整によって、レッスン参加者が運動レベルをコントロールしていくため、性別や運動経験にかかわらず、友人やカップル、仕事仲間などと一緒に楽しめます。1レッスン45分間の消費カロリーは400〜800キロカロリーと、ダイエット効果にも抜群の威力を発揮。ヒップ、ウエスト、二の腕、背中など、引き締めたい部分に合わせてレッスンを選ぶことができます。

FEELCYCLE

アメリカでは習慣になりつつある現在、日本のFEELCYCLEでは、よりレッスンを楽しむライブ感を追求。暗闇の中で行うという環境は人目をまったく気にせずに集中でき、自分とインストラクターだけという気持ちにもなりやすい。さらに集団でエクササイズに取り組むので周りの参加者も頑張っているという気配を感じます。辛くなったらペースを落としたり、ハードに自分を追い込んだり。声を出すことでストレス発散の場にも。フィットネスの枠を超えた“暗闇ライブエクササイズ”へと進化を遂げると同時に、自分らしく過ごせる暗闇の非日常空間というサードプレイスとしても注目を集めています。

FEELCYCLEは音楽との出会いの場でもある

FEELCYCLEにおいて音楽は暗闇と同じく重要な要素です。大音量の音楽がガンガンと鳴り響く中でのレッスンは、もはやエンターテインメント。インストラクターはレッスン中のほとんどの言葉を英語で話し、そのDJさながらのパフォーマンスにスタジオ全体が一体となり、高揚感と爽快感が生まれていきます。音楽はUSヒットチャートをはじめ、ハウス、EDM、ソウル、ヒップホップ、ロック&ポップスなど、さまざまなジャンルをレッスンごとにラインナップ。なかにはアコースティックだけのアンプラグドやマイケル・ジャクソン、ビートルズなどアーティスト縛りのレッスンもあります。


そんなバリエーション豊富な音楽を選曲しているのは、FEELCYCLEのプログラムを考案しているトレーナーとインストラクターたち。特別な音楽プロデューサーがいるわけではなく、1レッスンにおける10曲を互いに提案しあいながら選曲しています。

インストラクターのYUNAさん

インストラクターのYUNAさんに選曲のポイントを聞いてみると、「FEELCYCLEにはライブのように盛り上がったり、しっとりとしたり、またラストに向けて盛り上がったりというような起伏があります。そんなレッスンの展開やエクササイズの動きとの合わせ方を考えながら音楽を選んでいますね。音楽と空間を楽しむことで運動を続けられない人が続けられる。そんなライブ会場のような環境づくりを実現できたらと思っています」と、音楽が核にあることが伝わってきます。


ちなみにFEELCYCLEが日本に上陸した2012年当時のレッスンBGMはノリやすいEDMに偏っていたといいますが、5年経った今では上述のようなバリエーションが増え、期間限定でレディー・ガガやジャスティン・ビーバーの作品を手がけるプロデューサー / DJであるゼット(ZEDD)のアルバム曲を使うスペシャルプログラムなども不定期で開催。音楽が好きでFEELCYCLEのスタジオに通っている人もいれば、FEELCYCLEに通いながら音楽好きになったり、レッスンBGMから新しい音楽を知ったりする機会にもなっているのだとか。つまり、FEELCYCLEは音楽との出会いの場にもなっているのです。

FEELCYCLE

さらに最近では、暗闇バイクフェス「FEELCYCLE LIVE 2017 LUSTER」を2017年10月13日(金)から15日(日)にわたり豊洲PITにて開催されました。360台のインドアバイクを設置し、プロの照明チームが演出を担当。1公演100分、3人のカリスマインストラクターに導かれながら360人が一斉に踊るようにバイクを漕ぎ、盛り上がる光景は、新しいフィットネスカルチャーの勢いを感じさせるものでした。


FEELCYCLEが示すように、スポーツをもっと楽しむ、あるいは続けるために、音楽はとても効果的なツールになります。音楽のリズムと自分のテンポが重なっていくのを感じながら、あなただけのエクササイズに取り組んでみてください。


音楽は運動に効果的? 「脳科学からみる運動と音楽の関係」(前編)

FEELCYCLE



TEXT:Shota Kato       PHOTO:Tetsuya Yamakawa(Portrait)