全国に9店舗を展開し、さまざまなレベルのランナーをサポートする「アシックスストア」。
シューズやウエア選びのサポートから、それぞれのレベルに応じたランニングのアドバイスまで、受けられるサービスも実に豊富だ。そんな「アシックスストア」のスタッフが「TOKYO MARATHON 2019」に挑戦することに。レース本番に向けた二人を追いかけながら、ランナーに役立つ情報をお届けする。

ケガをしないか、完走できるか不安

スポーツができて、走るのも速くて、運動神経にも自信を持っていそう―。一般の方が持つであろう、アシックスストアのスタッフに対するイメージを伝えると、二人は口を揃えてこう否定した。

 

「とんでもないです!」

 

高木智大さんと南谷咲良さん。昨年ストアに入社した同期の二人が、今回東京マラソンに初挑戦する!

高木智大さん

高木さんは過去にフルマラソンを3回走り、昨年のさいたま国際マラソンを自己ベストの4時間9分6秒で走りきった。一方の南谷さんはハーフの体験こそあるが、フルマラソンは初めてだと言う。

南谷咲良さん

ともにランニングを趣味にし、やる気は十分だが、それぞれに不安も抱えているそう。具体的にはどんな不安があるのだろう。

 

「スポーツは見るのもやるのも好きなんですけど、とにかく不器用で。高校の野球部は途中で辞めたくらいです。今回はできるだけ自分を追い込みたい。気持ちが空回りして、ケガをしないか心配です」(高木さん)

 

「もともと走るのは好きで、小中高は陸上部でした。でも大学は合唱部でしたし、それ以降は週に1度、音楽を聴きながら走るくらい。ハーフの大会に出たことで逆に長い距離の辛さを知ってしまって……。完走できるか不安です」(南谷さん)

アシックスランニングクラブコーチの小谷浩

社会人になり練習時間がなかなか確保できない。気持ちが先走って、限られた時間に練習を詰め込んでしまう。結果としてケガにつながらないだろうか……といったランナーなら一度は抱いたことがあるような不安に社会人2年目の彼らも直面しているようだ。

練習のヒントを探しに「アシックスランニングラボ」へ

二人の不安を解消し、万全のサポートをしようと立ち上がったのがアシックスランニングクラブコーチの小谷浩。まず提案したのが「アシックスランニングラボ」の活用だった。専門の測定機器が揃うアシックスストア東京・原宿・大阪で受けられるランニング能力診断で、効率的な練習をするためのヒントを得ることができるらしい。

 

初めてのラボ体験を前に緊張の面持ちの二人に、小谷コーチからさっそく助言が。
「ケガの多くは、気持ちの焦りから練習をし過ぎてしまったり、癖のあるフォームで繰り返し走ることで起きやすいです。まずは自分の身体がどのような特徴や改善すべきポイントがあるか知りましょう。完走への不安もよくわかります。練習でいきなり速いペースで走ってしまう方が多いので、まずは今の自分が苦しくないペースを知って、それに合わせた練習をしていけば大丈夫です。」

 

ラボで診断できる項目は主に6つ。
・体組成測定…体の中の筋肉量、脂肪量を測定し、基礎代謝量や体脂肪率を測定する。
・脚の筋力測定…専用のマシンを使って膝を伸ばす力と膝を曲げる力の最大筋力を測定する。左右の脚それぞれのバランスをチェックし、筋力を10段階で評価する。
・アライメント測定…骨の配列や柔軟性、関節可動域を測定し、ランニング障害の危険性をチェックする。
・足形測定…3次元足形計測機で足を立体的に測定し、アーチの高さやかかとの傾きをチェック。
・ランニングフォーム測定…4方向に設置したビデオカメラでトレッドミル上でのランニングフォームを撮影し、改善点をチェックする。
・全身持久力測定…ランニング中の呼吸代謝測定を行い、トレーニングを組み立てる際の目安となる指標AT値(無酸素性作業閾値)を割り出す。
※AT:有酸素運動から無酸素運動にシフトしていく閾値。AT以上のペースでは血液が酸性に傾き代謝が阻害され、必要なエネルギーを産生しにくくなる(=運動継続困難)。よって、フルマラソンで今の自分の能力を最大限に発揮してフィニッシュするために目安にすべきペースとも言える。

ラボで診断

これらのことを約2時間しっかり測定したことで、今の時点でのフルマラソンの予測タイムが分かっただけでなく、更にパフォーマンスを向上させるために改善すべき点やその手段について、具体的なアドバイスをもらうことができるという。

診断結果から想定タイムと練習法がわかる

「お疲れさま」
計測を終えた2人に、小谷コーチから声がかかる。
集積されたデータを元に、さっそく診断結果が伝えられた。

診断結果を伝える小谷コーチ

「高木くんは全体的にバランスが良かったです。AT値が時速11㎞と出ていて、これは1㎞換算にすると5分27秒というペースになる。つまり、このペースでならば途中苦しくなることもなく長い距離を走り続けられることを意味しています。今後はこれより速いペースで短い距離を走るスピード強化と、これよりゆっくりしたペースで距離を踏む練習を組み合わせてやると良いでしょう。今の時点でフルマラソンの想定タイムは3時間59分。理論上はサブ4が達成できそうです」

 

「南谷さんも良かったですね。AT値が時速9.5㎞(1㎞6分19秒)。フルマラソンの想定タイムが4時間26分でした。ただ、あくまでもこれはフルの距離が走りきれる体力があってこそ。筋力強化も大事ですが、まずはしっかりとフルを走りきるだけの足を作ることが大切です。ランニングフォームを見てもらえば明らかなように、左足のつま先が極端に内側に向きやすい。こうしたクセも徐々に直していった方が良いですね」

 

自身の走りを客観的に見る機会はなかなかなく、走りや身体のバランスが細かい数値として表れ、今後の練習法までラボが診断してくれることに二人は驚いた様子。この結果から得意・不得意ポイントが分かったことで、新たな意欲が湧いてきたようだ。

 

「今の時点でサブ4が可能と言われたので、秋に走る予定のマラソンでぜひそれをクリアしたいです。目標の東京マラソンまではまだ時間がありますよね。3時間半を新たな目標にしても良いですか」(高木さん)

南谷さん

「予想よりもずっと良い想定タイムが出て、とりあえずホッとしました。でも、自分のフォームの汚さにはびっくり。4時間台で走りきるという目標を掲げて、今後はトレーニングを頑張りたいです」(南谷さん)

高木さん

コーチと話し合った結果、高木さんの目標は「サブ3.5(3時間半)を達成」に上方修正。南谷さんも「4時間59分以内での完走」と目標がより明確になった。

ラボ診断を活用して、効率的な練習計画を立てよう

ラボでの計測によって自身の身体の癖や走りの実力をより深く理解した二人。シューズ選びに迷いがある場合はもちろん、ランニング初心者から上級者まですべてのランナーにラボ診断(シューズの計測だけなら無料で利用可)は有効だ。効率の良いトレーニングを始めるために、ぜひアシックスストアを覗いてみてはいかがだろう。

 

十人十色のストーリーが、東京を駆け抜ける。東京マラソン2019特設サイトはこちら

 

アシックスは東京マラソン2019のオフィシャルパートナーです。

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