「アシックスストア」のスタッフが「TOKYO MARATHON 2019」に挑戦するシリーズの第2回。ランニングラボでの計測により自身の身体や走力を理解した2人がいよいよ練習を開始。今回はフルマラソン初挑戦の南谷咲良さんの練習を追いながら、初心者ランナーがまず知るべきポイントを解説する。

初心者は土台作りが大切。まずは週3回を目安に走ろう

快晴の空の下、真新しいトレーニングウエアに身を包み、風に吹かれる南谷さんの姿があった。

 

「仕事が忙しくて、週に1回程度しか今のところは走れていません」と小谷浩コーチにまずは近況が告げられる。

 

その報告を受けて、すこし表情を曇らせる小谷さん。

 

「入社2年目で仕事が忙しいのは良くわかります。でも、本番の東京マラソンを楽しく走るためには、最初は大変でも意識して週3回ぐらいは走っておこうぐらいの意気込みでいきましょう!走り始めの今は土台を作る時期。土台がしっかりできていないと、その上に練習を積み上げられないので」

南谷さんへの個人レッスン

この日は、南谷さんへの個人レッスンが行われた。初心者レベルのランナーにまず覚えてもらいたいのがストレッチだという。

走る前の全身ストレッチで筋肉の動きを意識する

「走る前にはストレッチを必ず行いましょう。準備運動として下半身のストレッチだけですます人が多いのですが、そもそもランニングは全身運動なので準備段階から上半身もしっかり動かした方が良いです」

 

小谷コーチが続ける。
「アシックスではリラックス・ストレッチといって、体の上から順にやっていきます。たとえば肩を後ろから前に大きく動かす。今度は左右で逆方向に回してみる。ストレッチの時から体のどこの部分を使ってどの辺りが伸びているのか、意識するクセをつけておくのがポイントです」

 

ストレッチの段階で筋肉の動きが把握できると、ランニングの動きが加わったときにその筋肉を意識しやすい。体のどこに負荷がかかっているかを理解するには、毎日これと決めたストレッチを繰り返し行うことが有効だ。上半身から下半身までまんべんなく適度な刺激を与えることが大切で、時間は10分程度で十分と話す。

上半身はとにかくリラックス、下半身は二本の線をイメージして走る

次に覚えてもらいたいのが正しいフォームだ。ストレッチを入念に行っても、間違ったフォームで走るとケガにもつながりやすい。
正しいフォームのポイントは3つあるという。

 

1つ目は、腕の振り方。2つ目が、下半身の使い方。そして、3つ目が正しい着地。それぞれに小谷コーチから詳しい説明があった。

 

「腕の振り方について、とくに女性のランナーに多いのが、一生懸命に腕を振ろうとして肩が上がり、手先にぎゅっと力を入れてしまうこと。二の腕とか肘から指先の筋肉は小さいので、酷使すると疲労がたまります。腕振りは腕を前に出すのではなくて、肘を背中の方に引いてあげる感覚が重要です。そうすればもっと大きな筋肉である肩甲骨が動くのがよくわかると思います」

 

「逆に男性ランナーは、足をつる人が多い。女性よりも力があるためにどうしても地面を蹴ったり、上に飛び跳ねたりするからです。そうすると膝から下の小さな筋肉であるふくらはぎがつりやすくなり、膝も痛めやすい。ここが第2のポイントで、下半身でより使うべきなのは膝から上の大きな筋肉の方です。左右の骨盤から前方に2本のラインをイメージし、骨盤を支点に脚を前に出してみて下さい。」

 

「3つ目のポイントである着地は、足の裏全体がハンコだと思って、全体を押し込むような感覚でまっすぐに足を出すこと。飛び跳ねたり蹴ったりしないように、着地は足全体で置いていきます。南谷さんは中距離をしていた影響か、やや強く蹴る傾向があるので、こうした動きをなるべく意識して、練習に取り入れてもらいたいですね。」

 

まとめると、上半身はとにかくリラックスした状態で肩甲骨を動かす。足は二本線の上をまっすぐ歩くイメージで、飛び跳ねたり蹴ったりしない。着地は足の裏全体で行うということだ。

 

「この3つを組み合わせていくと自然とランニングという動きになるので、それぞれ正しいフォームを身につけることがやはり大切です。改めて知っておいてもらいたいのが、大きな筋肉の方が持久力もパワーもあるということ。そこをうまく使うと効率的に走れるようになります。上半身でいえば、肩甲骨周りや背中の広背筋。それに体幹を意識して腕を振りましょう。下半身は、膝から上の筋肉と骨盤をうまく連動させることです」

小谷コーチ

「アシックスのストアではビギナー向けのランニング講座もやっているので、それを一度受けてみるのも良いですね。具体的なストレッチのやり方も教えてくれますし、講座は毎月やっているので。初心者のランナーはまだヘンなクセがついていないので、すぐに良いフォームで走れるようになると思います」

 

何度かイベントに参加している南谷さんも、改めて自分のために参加したいと興味をひかれた様子だ。

スピードは気にせず余裕のあるペースで

いくつかのストレッチを習った後に、二人は公園で正しいフォームの確認を始めた。

小谷コーチと南谷さん

徐々に南谷さんの姿勢が良くなり、大きく腕が振れるようになっていく。歩いている状態から早歩きへ。着地についても「足の裏全体を置く」イメージができつつあるようだ。

徐々に姿勢が良くなる南谷さん

「南谷さんはまだ土台作りの段階なので、スピードは気にせず余裕のあるペースで走ってほしいです。例えば週3回走れたときは、大好きなタピオカを自分へのご褒美に食べるとか。モチベーションをうまく保ち続ける工夫をしてみてください」

 

そんな小谷さんからのアドバイスを受け、「これからは週2回から3回を目標に走ってみます」とにっこり微笑む南谷さん。
習慣的に走ることで、どこまで土台を大きくできるか、次の報告がまた楽しみになった。

南谷さん

十人十色のストーリーが、東京を駆け抜ける。東京マラソン2019特設サイトはこちら

 

アシックスは東京マラソン2019のオフィシャルパートナーです。

※現在掲載されている情報は「東京マラソン2019」の情報です。2020年の情報については 東京マラソン2020特設サイト をご確認ください。