ランニングラボでの計測結果を受け、「TOKYO MARATHON 2019」の目標タイムをサブ3.5(3時間半)に上方修正した「アシックスストア」スタッフの高木智大さん。日々のトレーニングも順調に進んでいるようだ。高木さんのように具体的な目標タイムを持ってレースに臨む中級ランナーに必要な練習法とはどんなものだろうか。
サブ3.5を目指すならある程度のスピードが必要不可欠
その笑顔がなによりも、トレーニングの順調さを物語っていた。
「今は週3回のペースで10㎞を走ってます。ペースは1㎞5分22秒。昨日はちょっと長めの20㎞を走りました」
高木さんの近況報告に、コーチの小谷浩さんもうれしそう。ただし、手放しで合格というわけではなさそうだ。
「サブ4狙いであれば十分合格なんですけど、高木さんは目標タイムをサブ3.5に上方修正しましたからね。サブ3.5は1km4分59秒のペースなので、1㎞5分20秒前後のスピードでは厳しい。すでに土台の部分はしっかりしてきたので、今後はスピード養成期に入っていきましょう。これくらいのレベルになると、ある程度のスピードは必要不可欠なので」
マラソンを走るのになぜスピード練習が必要なのか。
前回、ランニングラボで測定した、AT値が参考になる。
AT値とは有酸素運動から無酸素運動にシフトしていく閾値のことで、AT値までのペースであれば、脚力がもつ限り途中苦しくなることなく長い距離を走り続けられることを意味する。高木さんの現在のAT値は時速11㎞で、これは1㎞換算にすると5分27秒ペース。今後はこのAT値を1㎞4分59秒程度まで引き上げなければならない。
「最後はあげ切って終わる」ことを意識する
では具体的にどんな練習をすれば良いのだろう。
「一番大事にしてもらいたいのがビルドアップ走です。文字通り、後半にかけて段々とスピードを上げていく練習で、心肺機能が鍛えられます。よくマラソンの30㎞近辺から急にペースが落ちる人がいますけど、それは普段からそういう練習をしていないから。どんな練習でも最後を上げきって終わるクセをつけておけば、本番は練習と同じことをするだけなのでラクですよ」
心肺機能が向上すれば当然、ジョギングのスピードも上がっていく。同じ練習を繰り返すよりも、刺激やメリハリを加えることでさまざまな部位の筋肉が鍛えられ、より走る能力も高まるという。
小谷コーチが続けて話す。
「もうひとつやってもらいたいのが、週3回10㎞走っていたのを、今後は5㎞、10㎞、20㎞と走る距離にメリハリをつけること。10㎞を走るときは気持ち的には全力で、20㎞はATペースよりもゆっくりでいいです。5㎞はその2つの練習をつなぐジョギングのイメージ。10㎞走がかなりきつくなるので、これはレースを利用したり、イベントに参加したりするのもありですね。一人だとくじけちゃうかもしれません」
たとえ辛い練習でも周りに仲間がいれば頑張れる。他人の目があればサボれない。アシックスストアではさまざまなレベルに応じたランイベントが企画されているので、気軽に参加してみるとよいだろう。
さらに、小谷さんは記録をつけることのメリットについて次のように語った。
「自分がどれだけ走ったのか、今はスマホのアプリで簡単に管理できる時代。これを使わない手はないです。ランアプリの『RunKeeper』は自動ラップや累計距離表示などがあるのでおすすめ。今後はタイムをつねに意識して走ってみてください」
新たなミッションを得て、高木さんの表情が引き締まる。今後は「月間200㎞を目標に練習したい」と抱負を述べた。
こうした練習法でどれだけスピードが上がるのか、次の報告を楽しみに待ちたい。
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