「TOKYO MARATHON 2019」までいよいよあと1週間。レースに向けてトレーニングを続けてきた「アシックスストア」スタッフの2人、高木智大さんと南谷咲良さんも期待と不安で落ち着かない様子。レースまでの1週間、なにに気を付けてどのように過ごせばよいのか?トレーニング、食事、当日の行動などについて、小谷浩コーチからのアドバイスを一挙掲載。

「ここまで来たらジタバタしないこと。多少練習が足りないと思っても、無理に走り込む必要はありません」

本番までの1週間の過ごし方について、小谷浩コーチのアドバイスは明快だ。

「レースの1ヵ月前までをトレーニング期間と考えれば、そこからレース本番まではもう調整期間。いかにコンディションのピークを大会当日に合わせるかの方が重要になってきます。ランニングの量で言うと、もっとも走り込んでいた時期の走行距離を100とすれば、3週間前で75%に、2週間前はその半分の量で良い。1週間前は25%程度が目安になると考えてください」

小谷浩コーチ

たとえば走り込み期に週30㎞を走り込んでいたランナーなら、本番までの1週間は8㎞弱で良いということになる。フルマラソンの距離を思うとちょっと不安になるような数字だが、これこそが疲れをため込まないコツであるようだ。

「あくまでも調整ですからね。初心者の南谷さんを例にすれば、1週間前の日曜日に5㎞程度の刺激(やや速めのペース)を入れて、火曜日に5㎞、木曜日に3㎞程度を軽く走れば大丈夫。ここで調子が良いからと、走りすぎないように注意してほしいです」

アドバイスをする小谷浩コーチ

調整期間に必要なのはトレーニングではなく、むしろ適切な食事と睡眠だという。

しっかり睡眠時間を確保するのは当然としても、何を食べたら良いのか、ランナーに必要な栄養素については意外と知られていないかもしれない。炭水化物を多く取るカーボローディングなどが有名だが、初心者は特にこうした言葉に振り回されないようにしてほしいと話す。
「たしかに糖質(グリコーゲン)を体の中に蓄えておくのは重要なことです。レースの3日前くらいからはなるべく糖質を多く含んだ食事(ご飯やうどん、パスタ、果物など)に切り替えたいところですが、これもやり過ぎは禁物。初心者はできるだけ普段どおりの食事を心がけてください。試すなら、普段の食事にプラスおにぎりをひとつ。それくらいで十分です」

勝負に勝つ意味を込めてカツ丼を取る人も多いと聞くが、消化の悪い油ものや食あたりの可能性がある生ものなどもできれば控えたい。

また、ほんの些細な注意不足にも気をつけたい。予期せぬアクシデントを生むことがあるからだ。

「たとえば家具に足をぶつけてゆび先をケガするとか、満員電車で足を踏まれて痛みを負うとか、安全靴を履こうとまでは言いませんが(笑)、すべて実際にあった話です。せっかく練習を積んできたのに、そんなケガでレースを棒に振るのはもったいないですからね。」

アドバイスをする小谷浩コーチ

レース当日の行動についてもアドバイスをもらった。東京マラソンで特に心がけたいのは、早起きと寒さ対策。

「前日はなるべく早く寝て、当日は7時までには新宿に着いておきたいですね。そうすれば慌てずにスタートブロックに並ぶことができると思います。今年は3月開催ですけどおそらくまだ寒い。ポンチョやカイロを用意するなどして、寒さ対策も忘れずに。当日はしっかりとご飯を食べておくことも重要です。朝食はご飯、次はバナナ、スタート直前はエネルギーゼリーなど、徐々にやわらかいものに変えていくイメージです。スタートまでにも体力は消耗するので、こまめな栄養補給を心がけましょう」

「十分経験もある高木くんの場合は、ATペースかそれよりもゆっくりしたペースで前半を走りたい。南谷さんの場合はATペースよりさらに20、30秒遅いペースを目安にすると良いでしょう。30㎞を過ぎてまだ足がしっかり動いているようであれば、そこからペースを上げるくらいの気持ちで。給水所や10㎞といった距離表示を利用して、レース中の糖分補給も忘れないこと。そうすることでレース終盤の失速を抑えることは可能です。
無事にフィニッシュ後は、リカバリー用のゼリーをなるべく早く取りましょう。疲労度が変わってきますよ」

高木くんと南谷さん

アシックスストアで笑顔の接客を心がける2人も、ここまでの調整は順調な様子。レース当日、懸命に走る2人の姿を見かけたら、ぜひ温かな声援を! すべてのランナーが最高の笑顔でフィニッシュできますように。

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