1年中手に入れられる食材を使った満足感の高いどんぶり

運動だけではなく食事を含めて体づくり。そんな運動のお供に取り入れてほしい一皿を、料理家が栄養バランスを考えてご提案するのが「運動ごはん」です。

 

第2回目の山戸ユカさんに続いて登場するのは、中目黒にて京おばんざいと韓国家庭料理を振る舞う「青家」のオーナーである料理家の青山有紀さんです。

青山有紀

青山さんの料理は地元・京都から取り寄せた伝統京野菜をはじめ、こだわりの京素材と旬の食材で作る京おばんざいと韓国家庭料理がメイン。ご自身による料理本は数多く、忙しい人向けのものや、薬膳を簡単に再現できるものなど、滋味深い料理を始めるきっかけとなるものも手がけています。

 

「運動と呼べるのかわからないけれども、私はなるべくウォーキングでの移動を心がけていますね。ハードな運動は苦手ですが、疲れている人の気持ちはよくわかります(笑)」。そう話す青山さんがつくってくれたのは、焼き豆腐とじゃこピーマンのどんぶりです。

運動ごはん vol.3

使う食材は1年中手に入れることができるものばかり。炒めたじゃこと焼き目を付けた豆腐の食感や、おかかや海苔の旨味までしっかり感じられるのが特徴です。運動の後に短時間かつ簡単につくることができます。豆腐はそのまま使いがちですが、焼き豆腐にする理由について、青山さんに聞いてみました。

 

「豆腐の表面に粉をつけて焼き目を付けると、その香ばしさが調味料になるんですよ。私は仕事で疲れて家に帰ってきても簡単な晩ご飯を作るように心がけていますが、豆腐は蒸したり焼き目を付けたりしています。熱を加えることで胃腸に負担が掛からないので、運動で疲れていてもスッと食べやすいですし、それでいて満足感もある。ご飯にそのまま豆腐を乗せても満足できないのに、ちょっと焼くだけでも美味しくなる。この変化こそが料理なんですね」

辛味を添えて、即席ビビンバ風に

<レシピ>

焼き豆腐とじゃこピーマンのどんぶり 1人分

 

【材料】

あたたかいごはん 1膳
もめん豆腐 100g
ピーマン 2個
じゃこ 大さじ2
おかか 適量
海苔 適量
ごま 適量
片栗粉 適量
きび砂糖 小さじ1/2
薄口しょうゆ 小さじ1
ごま油 小さじ1と1/2

 

【つくり方】

1.ピーマンは種を取り千切りにする。フライパンにごま油小さじ1/2を入れて熱し、ピーマンとじゃこを炒める。ピーマンに火が通って少ししんなりしたら、砂糖としょうゆを加えてなじませ、取り出す。
2.豆腐は4等分に切り水分をふいて片栗粉をまぶす。フライパンにごま油小さじ1を熱して豆腐を両面カリッと焼く。
3.どんぶりにごはんをよそい、おかかとちぎった海苔をのせてから豆腐をのせ、上に1を乗せごまをたっぷりふる。

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「コチュジャン、辛味噌、柚子胡椒、かんずりなど、お好みの調味料や醤油をかけて召し上がっていただくのもオススメです。混ぜると即席ビビンバのようになりますよ。辛味が加わると体がポカポカするので、冬の寒い運動の後に食べると、より体が温まりやすいと思います。誰でも簡単に取り入れられるので、ぜひ試してみてください」

運動ごはん vol.3

青山有紀

料理家。大学卒業後、美容業界を経て『青家』を中目黒にオープン。実家は1日1組限定の料理屋を営み、母から受け継がれた京おばんざいと韓国家庭料理を提供するとともに、美容と薬膳の知識を生かしたスイーツなども開発している。料理レシピ本の出版、企業の商品開発、レシピ提供、カフェメニュープロデュ−ス、講演会なども行っている。国立北京中医薬大学日本校を卒業。国際中医薬膳師資格取得。

 

[運動ごはん連載]

運動ごはんvol.2 山戸ユカ フルーツハーブティー

 

TEXT:Shota Kato PHOTO:Tetsuya Yamakawa