食事「制限」ではなく「バランス」を考える

運動だけではなく食事を含めて体づくり。そんな運動のお供に取り入れてほしい一皿を、料理家が栄養バランスを考えてご提案するのが「運動ごはん」です。

 

第3回目の青山有紀さんの次に腕をふるうのは、初の著書『幸也飯』で彩り華やかな料理を披露し、話題沸騰中の若き料理家・寺井幸也さんです。

寺井幸也さん

寺井さんの料理は「幸せを届けること」をコンセプトに作られています。それがわかりやすく表れているのは色鮮やかな盛り付けです。器も含めた美しい料理はただ見栄えが良いだけでなく、心も体も満たされる美味しさを兼ね備えているとしてSNSを中心に話題に。Instagramでは「#幸也飯」というハッシュタグが添えられ、著名人やモデルなどから支持されています。そんなヘルシーかつお洒落な幸也飯を今回はアシックス用に特別アレンジ。今回からは前編と後編に分けて、まずは「雑穀焼きおにぎりとササミたらこの出汁茶漬け」をご紹介します。

寺井さんは「運動ごはん」ということで、栄養価の高い五穀米・玄米・雑穀米・黒米のブレンド米と、低カロリー&高たんぱく質の代表的な食材である鶏ささみをセレクト。特に鶏ささみは筋肉を育てるたんぱく質が豊富な食材として知られていますが、寺井さんはその位置付けをどのように考えたのでしょうか。

 

「僕の友人にもストイックにトレーニングに取り組んでいる人がいますが、食事について聞いてみると、ブロッコリーとささみしか食べていないという極端なものだったんですね。僕は料理家として、『それって楽しいのかな。食事がもったいないな』と思うんです。僕が提案したいのは、食事制限ではなくて食事バランスという考え方なんですね。全体的に低カロリー・高たんぱく質といった栄養面だけに気を囚われずに、今回のレシピでいえば、たらこのようにパンチのある味覚と味気ないささみを組み合わせて、美味しく食べてほしい。ごはんも五穀米・玄米・雑穀米・黒米といった栄養価に優れたものを少しずつ足していく。そうやってバランスを考えると、楽しく食事できるはずですよ」

 

<レシピ>
雑穀焼きおにぎりとササミたらこの出汁茶漬け

【材料】
白米 0.5合
玄米 0.5合
十六穀米 大さじ1
黒米 小さじ1
和風出汁 顆粒4g
水 230ml

【具材】
しらす 30g
たらこ 3分の2腹
ささみ 100g
刻み大葉 適量

【出汁】
和風出汁 顆粒 5g
出汁昆布 2g
お醤油 大さじ1
水 300ml

【つくり方】
1.ご飯は炊き上がったらおむすびにする。
2.おむすびを胡麻油で両面がこんがりするまで焼く。醤油は焼きながら刷毛で表面になじませる。
3.しらすをさっと炒める。
4.器に焼きおにぎり、その上にたらこ、しらすと乗せ、熱々にした出汁をかける。
5.仕上げに刻み大葉を散らせて完成。

雑穀焼きおにぎりとササミたらこの出汁茶漬けの作り方

「焼きおにぎりとして食べてもOKですが、寒い冬だからお茶漬けにアレンジしてみました。後に刻み大葉を散らせることで、香りも楽しんでみてください」

寺井幸也 雑穀焼きおにぎりとササミたらこの出汁茶漬け

寺井幸也

レストラン勤務を経て、2015 年よりケータリング「幸也飯」を開始。「幸せを届ける」美しく華やかな料理は、有名モデルや芸能人、Instagram(@yukiya.terai)でも常に評判。2017年12月13日に初のレシピ本『幸也飯~彩り映える・おもてなしの作りおき~』を辰巳出版より発売。発売予約開始日にアマゾン和食ランキング1位、レシピ本総合ランキング5位に入るなど、今最も注目を集める料理人の1人だ。
寺井幸也 instagram

 

TEXT:Shota Kato PHOTO:Tetsuya Yamakawa