3月に迫った東京マラソン。厳しい競争率を潜り抜け出場権を得たからには、完走や記録更新を目指すランナーも多いのではないでしょうか。今回は、東京マラソンに向けてどんな準備をしておくべきか、ASICS STORIESで過去に掲載された記事をまとめて紹介したいと思います。

(1) 42.195kmを走りきるための相棒は、大丈夫?

ランナーの足もとを支えるランニングシューズ。みなさん適したシューズを履いていますか? ビギナーの方は、今履いているシューズが初心者ランナーに適したモデルなのかチェックしてみると良いでしょう。また、たくさん練習している人や、ランニング歴の長い人は、大会当日に履こうと思っているシューズや普段トレーニングで履いているシューズが消耗・劣化していないか寿命の確認を。

・走力に合わせたシューズを履いていますか?

初めてのフルマラソンの完走を目指すみなさん、そのシューズで42.195kmを走りきることはできそうですか?
ランニングの経験が浅い人は、まだランニングフォームや走るための筋力が整っていません。そのため、ビギナー向けのランニングシューズには、それを助ける機能が備わっています。具体的には、衝撃をやわらげるクッション性や左右のブレを抑える安定性、プロネーションと呼ばれる足が地面に着くときにかかとが内側へ倒れる足の動作をサポートする機能などが挙げられます。ご自身が履いているシューズにそのような機能がありそうか、チェックしてみると良いでしょう。
また、ランニングシューズを選ぶ際には、自分の足のサイズを正確に知っておくことも大切。シューズは、左右の足長を測ったら、長い方の足長より約1cm大きいサイズを選ぶのが一般的です。

ランニングビギナーに適したシューズの選び方や、試着時のチェックポイントについては、こちらの記事を読んでみてください。
・ランニングシューズの選び方。初心者は最初が肝心!

ランニング中上級者の方には「練習内容によるシューズの履き分け」をご紹介しています。シューズの選び方についてはこちらの記事をチェックしてみてください。
・ランニングのレベルアップに。練習内容に合わせてシューズを変えてみよう

・ランニングシューズの寿命は大丈夫?

大会に向けて、トレーニングを積んでいる人も多いでしょう。いつも履いているシューズや、大会で履こうと思っているシューズのソールはすり減ってはいませんか? かかとやアッパー部分の生地が薄くなってはいませんか?
ランニングシューズの寿命は意外と短いと言われていますが、寿命の過ぎたシューズを履き続けている人が多いそうです。寿命を迎えたシューズは、本来の性能がすでに失われていることが多く、場合によってはケガや故障の原因になることもあります。
シューズの寿命や、買い替え時期を見極めるポイントはさまざまですが「購入してからの年月」「走行距離」「アウターソールとミッドソールの消耗・劣化」「アッパーや履き口の擦れ、破れ」などで確認することができます。

ランニングシューズの寿命のチェック方法については、こちらの記事をチェック。
・そのシューズ、まだ履ける?ランニングシューズの寿命と買い替え期

(2) ただ走るのではなく、効率的にトレーニングを

限られた時間のなかで走力を上げるためには、効率的なトレーニングが重要です。そのためにもまずは自分の身体の特徴や改善ポイントを知り、トレーニングプランを立てることが大切です。

・トレーニングを始める前に、身体の状態を知ろう

「仕事が忙しくて練習時間がなかなか確保できない」
そんな気持ちが先走って、限られた時間に練習を詰め込み、結果としてケガをしてしまう……。そんな経験をしたランナーもなかにはいるのではないでしょうか?
このようなケガの不安を減らすためにも、効率的に練習することはとても大切。まずは、自分の身体にどのような特徴や改善すべきポイントがあるか知りましょう。
また、練習でいきなり速いペースで走ってしまう人が多いですが、まずは今の身体の状態を知り、苦しくないペースからはじめて、徐々に練習のレベルを上げていけば大丈夫です。

東京マラソンの完走をめざすランナーが「アシックスランニングラボ」で身体の状態をチェックしてきた様子をレポート。練習のヒントが見つかるかもしれません。
・完走やケガの不安があるならまずラボ計測を。東京マラソンチャレンジVOL.1

・ビギナーは、まず定期的に走って「土台作り」を

ビギナーは、本格的な練習の前に、「走る習慣」を作ることから始めましょう。この期間は走るための土台を作る時期。土台がしっかりできていないと、その上に練習を積み上げることができません。「週3回は走る」くらいの気持ちを持って、走る習慣をつけましょう。はじめは、スピードを気にせず余裕のあるペースで習慣的に走り、土台を大きくしていってください。
また、ケガを防ぐために走る前のストレッチと、正しいフォームを覚えることも、この時期にやっておきたい土台作りのひとつです。上半身はリラックスした状態で、肘を背中の方に引く感覚で肩甲骨を動かしましょう。足は二本線の上をまっすぐ歩くイメージで、飛び跳ねたり地面を蹴ったりするのはNG。着地は足の裏全体で行いましょう。

ストレッチとフォームのポイントは、こちらの記事でより詳しく確認を。
・初心者なら知っておきたいストレッチとフォームのポイント。東京マラソンチャレンジ VOL.2

・中級者は、練習内容にメリハリをつけて

目標タイムを持ってレースに臨む中級ランナーに必要なのは、スピードを保ちながら走り続けることです。そのためには、スピード練習とビルドアップ走が欠かせません。同じ練習を繰り返すよりも、刺激やメリハリを加えることでさまざまな部位の筋肉が鍛えられ、走力も高まります。
後半にかけて段々とスピードを上げていくビルドアップ走で、心肺機能を鍛えると、終盤でペースを落とさず走りきれるようになるでしょう。5㎞、10㎞、20㎞など、走る距離にメリハリをつける練習法も、スピードアップには効果的。タイムを常に意識しながら、練習を重ねていきましょう。

中級ランナーにおすすめの練習法は、こちらの記事をご覧ください。
・「スピード」「ビルドアップ」がサブ3.5へのキーワード。東京マラソンチャレンジ VOL.3

・ランニングアプリを使って、練習内容をチェック

日々の練習が身についているのかを確認するなら、ランニングアプリを使って、練習内容を記録しておくのもおすすめです。
たとえば、ランニングアプリと心拍数が測れるウォッチを連携させ、日頃から心拍数を計測することで、自分が楽に走れる心拍数や、身体的にきつい速さの心拍数を把握しておくことができます。いつも同じランニングコースを走っているならば、いつもより心拍数が高かったときは、体調不良やオーバートレーニングなど身体の変化にも気付きやすくなるでしょう。
ランニングアプリのなかでも「ASICS Runkeeper™(アシックス ランキーパー)」は、さまざまなログが取れるだけでなく、モチベーションを保つためのトレーニングプランの設定やワークアウトスケジュールなどを立てることができます。短期間で達成できる目標があると、ちょっと面倒な気分の日も走るきっかけになりますよ。

ランニング中級者のライターが「ASICS Runkeeper™」を使って、トレーニングをした様子はこちらをチェック。
・データを使ってランニングをさらに楽しく。ワンランク上の練習法

(3) 大会直前はトレーニングよりも、食事と睡眠を意識して

レース本番前の1週間は調整期間。でも、期待や不安で落ち着かないものですよね。トレーニングや食事、当日の行動などについて、ポイントをお教えします。
トレーニングに関しては、多少練習が足りないと思っても、無理に走り込む必要はありません。ランニングの量で言うと、もっとも走り込んでいた時期の走行距離を100とすれば、1週間前はその25%程度を目安にすればOKです。走りすぎないように注意することが、疲れをため込まないコツです。 直前に、トレーニングより大切なのは、適切な食事と睡眠。レースの3日前くらいからは、なるべく糖質を多く含んだ食事(ご飯やうどん、パスタ、果物など)に切り替えるのが効果的です。とはいえ、やり過ぎは禁物なので、初心者はできるだけ普段どおりの食事を心がけましょう。当日も、しっかりとご飯を食べておくことが重要です。
また、東京マラソンでレース当日に特に心がけたいのは、早起きと寒さ対策。7時までには新宿に着いておけるとベストです。ポンチョやカイロなどで防寒も忘れずに。

さらに詳しいアドバイスは、こちらの記事に掲載されています。
・レース1週間前の過ごし方のポイントは、練習よりもこれだ!東京マラソンチャレンジ VOL.6

(4) 当日は楽しんで走るだけ!東京マラソンコースの攻略ポイント

基本的に東京マラソンのコースは、スタート後5㎞くらいまではずっと下り基調です。そのため初心者も経験者も、調子が良いと勘違いしてスピードを出しすぎないように気をつけて。10㎞まではウオーミングアップのつもりで、リラックスしてゆっくり走りましょう。
15km付近まで来ると、浅草の雷門が見えてきます。沿道の声援にも気分が高まるはずなので、お祭り気分を楽しみましょう。20km付近の富岡八幡宮辺りからは、細かなアップダウンが続くので、歩幅を少し短くするのがおすすめ。リズムが出て、上り坂も走りやすくなります。 30㎞付近は、華やかな銀座中央通り近辺を走ることになります。足に痛みが出てきたら、路肩に寄って足首を回したり、ふくらはぎなどを軽くストレッチしたりしましょう。足が動く限り、どんなにゆっくりでも走るほうが歩くより速いです。
つらくなってくるコース終盤にも、東京タワーなど見どころはいっぱい。沿道からの声援を力に変えて、楽しく笑顔で走りましょう!

コース上の詳しい見どころや注意点などは、こちらのレポート記事をどうぞ。
・アシックスランニングコーチが伝える東京マラソンマル秘攻略法 東京マラソンチャレンジ VOL.4

 

※現在掲載されている情報は、「東京マラソン2019」の情報です。「東京マラソン2020」ではコースなどが変更になる可能性があります。東京マラソン2020については、アシックス特設サイトをご確認ください。

アシックスは東京マラソン2020のオフィシャルパートナーです。

TEXT:Mayuko Yago