自己新を目指す陸上選手にとって重要なアイテムとなるのがスパイクシューズ。女子100m・200mの日本記録を持つ福島千里選手(セイコー)、その福島選手が以前から愛用するSP BLADEシリーズの最新モデルSP BLADE SF 2の開発担当者、古磯真弥氏にこだわりや選び方のポイントなどについて聞いた。

自分の動きや感覚にマッチしたシューズを選ぶ

自分の動きや感覚にマッチしたシューズを選ぶ

―福島選手はどんなモデルを使っていますか?

福島 私は10年来、SP BLADEシリーズを愛用しています。100・200mの日本記録を塗り替えた際に使っていたのもSP BLADEシリーズでした。記録はもちろん、体形(身長、体重など)や筋力、技術面なども変わってきていますが、その時々で変わらずフィットしてくれる良き相棒です。

―SP BLADEシリーズのどこが気に入っていますか?

福島 一度カーボンタイプのソールの硬いスパイクを試したことがありますが、硬過ぎて私には使いこなせなかったというのが正直なところです。硬さやフィット感などを含め、全体のバランスとしてSP BLADEシリーズが自分には合っていると感じています。

福島千里選手

古磯 確かにソールの硬さは好みが分かれるところですね。女子選手はしなやかさ、屈曲感、筋力のある男子選手は反発の大きな硬いタイプが好きという選手が多いと思います。
カーボンタイプなど底の硬いタイプはその特性上、スピードに乗ってしまえば威力を発揮しますが、筋力が強くなければ、特にスタートから前半は使いこなすのが難しいかもしれません。
その点SP BLADEシリーズは適度な硬さで、さらにカカトの部分にもクッション性があり、男女を問わず中学生からトップ選手、100~400m、ハードル種目など幅広い選手層、種目に適したオールマイティなタイプとなります。

大切にしているのはフィット感

―福島選手がスパイクで一番こだわっているのは?

福島 しっかり足にフィットしていれば、重さなども感じないと思っているので、単純な重量、軽さより、フィット感を大切にしています。
私は気合が入ったり緊張したりすると、無意識のうちに紐をギュッと強く締めてしまう癖があるので、アッパーも、そうした場合でもしっかり優しく包み込みフィットしている、足に馴染むよう調整してもらっています。

古磯 SP BLADE SF 2ではアッパー材に軽量でフィット性が良い『HL-0メッシュ』を採用しました。ポリエステル繊維に弾力性の高い繊維を織り込んだ特殊構造で、バネのような弾力性を持つことで高いフィット性を発現させエネルギーロスにつながる着地時の足とシューズのブレを抑えます。また、アンクルベルトとヒール部分が連動してさらにサポート性が向上するデザインに変わりましたし、福島選手のように紐をギュっときつく縛ってもしっかりフィットするようにUスロート部に切れ込みがあるなど工夫されています。
スパイクシューズには、ソール、アッパー共にいろいろなタイプがあるので、実際に店舗で試し履きして動いてみて感触、感覚を確かめてみてほしいと思います。

大切にしているのはフィット感

自分を知れば、選ぶべきスパイクも決まってくる

―最後にメッセージをお願いします。

福島 スパイクなど道具選びはとても大切です。しかし、道具に自分の走りを合わせるのではなく、自分の走り、感覚にマッチした道具を選ぶことが重要です。憧れのあの選手が履いているからではなく、それを使って、いかに自分の持っている力を引き出すか、速く走れるかがポイントとなります。だからこそたくさんの種類がラインナップされていますし、自分を知ることができれば、自然と選ぶべきスパイクも決まってくると思います。



福島千里 / ふくしまちさと(セイコー)
1988年6月27日生まれ。166㎝・53㎏、A型。北海道出身。糠内中→帯広南商高(以上、北海道)→北海道ハイテクAC→札幌陸協→セイコー。女子短距離選手。五輪には2008年の北京大会から16年のリオ大会まで3大会連続で出場。世界選手権には09年のベルリン大会から15年の北京大会まで4大会連続で出場を果たしている。自己ベストの100m・11秒21(10年)、200m・22秒88(16年)は、いずれも日本記録。


古磯 真弥
アシックスジャパン株式会社 プロダクトプランニング部
コアパフォーマンス
スポーツフットウエアチーム

陸上競技マガジン2019年4月号掲載の記事をもとに再構成しました